2019/3/29 日本経済新聞 

『新興国の通貨安 トルコが拍車も』より

 

新興国通貨に動揺が広がっているとあり、米国の利上げ路線変更により年明け以降暫く広まった緩和市場ムードが一転し、投資家の関心は世界経済の弱さに向かっている。この警戒感が「再びのトルコ発新興国通貨安」に表れているとあります。

 

昨年8月に米国との関係悪化をきっかけにトルコリラは年初比で半値近くに急落し、トルコ国内に20%を超えるインフレをもたらしたのは記憶に新しいのですが、今回の通貨安はトルコ中銀の外貨準備減少や経済環境悪化を指摘した投資銀行のリポートに端を発し、トルコ当局が通貨リラを空売りできないよう金融政策へ介入した結果、海外投資家の売りは株式や債券に波及してしまっています。

 

こうしたトルコの強硬策は、慢性的な経常赤字国にとって大切な海外からの資金流入を遠ざけてしまっています。このような変調は他の新興国通貨に波及しかねないと懸念しており、投資家の間にも、やはりその根底に新興国の景気低迷や政治不安など脆弱性に自信を持てない状況があるのだと思います。実際、アルゼンチンペソも3/28東京外国為替市場で過去最安値圏での取引、ブラジルレアルは約5ヵ月半ぶり、南アフリカランドも約3ヵ月ぶりの安値圏での推移でした。急速にリスク回避を映した資金の行き場は「質への逃避」先進国の債券です。ECBの利上げ時期の先延ばし方針を受けてドイツ長期金利もマイナス0.1%を下回り、日本でも長期金利の目安である新発10年物国債利回りはマイナス0.10%の水準まで低下し、独日とも10年モノまで「マイナス金利債券」が誕生しています。米国長期金利も一時2.35%まで低下(1年3ヵ月ぶりの低水準)し、まさに品質が高い資産へのリスクオフ資金の集中流入ではないかと思います。

 

記事の最後に市場では昨年末の急落の持ち直しで、つい2月頃までは「適温相場」への回帰が言われ始めていましたが、こうしたリスクを避けて避けて狭い安全地帯へと流れ込む資金の流れが新たな危機につながる火種を生まないといいのですが。。。。