貴重な体験 | あるちゅう司法書士の思うまま

あるちゅう司法書士の思うまま

アルコール依存症のどん底を経験、現在は司法書士として第4の人生を歩む。アルコール問題のほか旅行記、鉄ネタ、たわごと…
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 1週間にわたって広島日帰り旅行のブログを書きました。
 
 日帰りながら充実した旅にしてくれる立役者のひとつは新幹線です。
 日本が誇る「のぞみ」は新大阪~広島を最速1時間19分で走ります。

 その新幹線でふと思い出したことがあります。

 特等席はどこでしょうか? 
 人によって答えは違うでしょうが、やはり運転席ではないかと思います。

 私はその運転席に何度か乗せていただいたことがあります。もちろんイベントではなく営業列車です。

 大学生のとき東海道新幹線のワゴンサービスのアルバイトをしていました。
 当時、京都市内の時給の相場が580円ぐらいで、もう少し時給のいいアルバイトはないかと探していたところに友達が見つけてきました。

 コーヒーやジュースを売りながら先頭車両まで行くと、ガタガタというワゴンの音を聞きつけて運転士が顔を出します。
 その頃新幹線の運転士はまだ2人乗務だったのです。

 「コーヒー貰っていい?」。もちろん乗務員からのリクエストには応えなくてはいけません。

 今では保安上禁止されていると思いますが、その時に「少し寄っていって下さい」と声をかけてくれる運転士がいました。

 最初は東京行きの「こだま」で浜名湖の上を通過する時でした。

 豊橋から来ると浜名湖に向かって下り坂ですが、青い湖面にまさに吸い込まれていく感覚でした。
 対向から来た新幹線が見えてすれ違った時に、私が「もっと一瞬ですれ違うものかと思ってました」というと、運転士が「そこまで速くないよ」と笑っていましたが、これからもっともっと速くなるんだという新幹線を走らせる運転士のプライドを感じました。
「今度出るのぞみの運転席は、飛行機のコックピットみたいになるんですよ」と教えてくれました。

 もうひとつ記憶に残っているのが夜の運転席です。

 夕方18時半ごろに東京を出る下りの「ひかり」でした。
 バブル全盛期、満席で物もよく売れました。豊橋を過ぎてようやく先頭まで行くと運転士が声をかけてくれました。

 闇を新幹線のライトだけが照らす。その中を架線柱が凄い速さで後ろへ流れていく。印象的でした。三河安城駅を通過のときには流れる駅の明かりに、催術術にかかりそうな感覚になったのを覚えています。

 私のブログを読んで下さっている方は、よく新幹線や鉄道の話が出てくると感想をお持ちだと思います。
 こうしたこともあって、私は今でも鉄道が好きなのです。
 
 今思えば、ずいふん貴重な体験をさせていただいたものです。