「フィッシュストーリー」

 「アヒルと鴨のコインロッカー」

 「ポテチ」

 またまた中村義洋監督の傑作に出会った。

 「ルート225」です。

 ごく普通の家族がある。

 両親と中学2年生のおねえちゃんと中学1年生の弟との4人家族の家庭だ。

 朝。

 「いってきまーす」

 よくある朝の風景が描かれている。

 姉と弟がふざけながら登校している。

 いつもの道をふたりで元気よく歩いている。

 そしていつもの角を曲がったとき、

 ふたりは呆然とする。

 国道がなくて海が広がっているのだ。

 おねえちゃんは、道を間違えた、と思って引き返していく。

 「なんか、おかしい」

 「こんな筈じゃない」

 「俺がおかしいのか?あいつがあかしいのか?なんか間違ったかなあ?」

 「あのときのあいつと今日のあいつはなんかおかしい」

 こんな経験、ありません?

 俺は大いにあるから、この姉と弟が迷い込んだ、なんかおかしな世界に

 大いに共感しながら笑いながら納得してました。

 そして、そして、大好きな多部未華子ちゃんが最高の演技を披露してくれた。

 彼女は笑いをさそいながらいつのまにかまじな世界に引き込んでいく、

 天才的な才能の持ち主だと思っていたが、正に俺の眼に狂いはない。

 ルート225。√225=15。

 そう。14歳から15歳の思春期の迷走をこういう表現で描けるとは思っていません

 でした。

 映画の力をこの映画で再認識したし、日本映画の凄さを思い知った。

 ラスト、両親の姿がうっすらと見えるぐらいでその横に姉と弟がはっきりと

 映っている4人が並んで座っている姿を捕えているのは現代の家族の象徴

 としての作者のメッセージかも知れない。そんなことを考えさせる、或いは

 深読みさせる映像には違いない。傑作です。

 そして、チョイ役であの崔洋一監督が出演しているのも意味深だ。

 わたしの映画ファンとしての評価ではかなり心に残るベスト作品です。


    2013年12月1日 映画の日     のぼりごい




 
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