経験上から言うと、刑務所で発病してもまともな治療を受ける事はできない。
私も受刑中にインキンと水虫をうつされた。
私だけでなく、私がいた工場にいた殆どの受刑者が感染して被害にあったのだが、新受刑者が配属された際に菌を持ち込んだものと思われる。
伝染病に対して官はかなりお粗末な対応しかしない。
他にも冬にインフルエンザが流行っているのにもかかわらず基本的に刑務官以外マスクをする事ができなかった。
何故かというと恐らく不正交談(無駄話)を防止する観点からなのだろうが、何人も医療病棟に搬送される位流行しないと受刑者にマスクは渡されないのだ。
囚人は一度同じ工場に配役されると24時間一緒にいるので伝染病はかなり高い確率で感染してしまう。
冬になると各工場イソジンが置いてあるのだが、私がいた工場のルールではイソジンを一回に一滴しか使えなかった。
文章にすると意味が分からないだろうが、茶碗に水を半分程度入れ文字通りイソジンを一滴入れうがいをする。
刑務所ではそれで一日2回うがいする程度しか風邪の予防策がないのだ。
イソジン一滴で風邪が予防できるのか甚だ疑問なのだが。
仮に自費でインフルエンザの予防注射を受けたいと言っても刑事施設では受け付けては貰えないので体が丈夫でないと死ぬ可能性も否めない。
インキンの話に戻るが、私と仲の良かった同年代の横浜のアウトローがいた。
傍目からかなり気合の入っている人なのだが、インキンに感染するも気合いで治すと言って3週間ほど医務の申し出もせず放置していた。
その結果、陰部がアメリカンドック位腫れ上がってしまったのだ。
(風呂場で見せてもらったがかなりグロかった)
たまらず刑務官に泣きを入れたのだが、基本的に刑務所では医務は受付順なので、よっぽどの事がなければ平均2~3週間待たなくてはならない。
繰り返すが生まれてこの方そうそう泣きを入れた事のないだろうアウトローが陰部が痛くて寝られず、刑務作業もできなくなって作業中に刑務官に泣きを入れたのだ。
刑務所で発病すると下手な発展途上国で発病するのと大差がない。
余談だがそのアウトローは金線と呼ばれる現場ではちょっとエライ刑務官にトイレに連れて行かれ患部をみせたらしいのだが、その際「お前、玉入れしたろ」と怒られたとの事だった。
これだけ工場内でインキンが大流行しているのに医務は申請してから3週間程度しないと受診できない。
また一度完治してもピンポン感染で何度もうつされることになる。
インフルエンザなどの感染症が流行していても全体で予防する事はなかった。
いかにもお役所らしい考え方だとここでもうんざりさせられた。
結局そのアウトローは翌日医務の診察は受けられるも玉入れ疑惑で相当絞られ、医務も無理やりねじ込んでくれた事に対して担当刑務官に対して直ぐにお礼を言わなかった事で逆鱗に触れ数日間にわたりねちねち怒られていた。