警察での取り調べ | 元受刑者で借金が1億円ある男が綴るブログ

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アラフォーです。

2015年に収監され1年半程刑務所にいました。

元受刑者の視点から色々綴りたいと思います。

逮捕され警察署の取り調べ室で痛感したが、刑事施設は全般的に治外法権なのである程度の暴力(言葉や有形力の行使)に耐えなくてはならないことは肝に銘じておいたほうが良い。

私も職業柄、刑事告訴しようと考えざるを得ないケースも多々あったが流石に最後の手段なので最初には持ってこないし、そもそも体裁が悪いので刑事事件だとしても逆に民事で提訴をするくらいだった。

 

実務から民法や民事訴訟法はかじったことがあるので流れはわかるのだが、先に書いたように、生まれてこの方職質すらあった事がなかったので刑事告訴は全く見当がつかなかった。


話を戻すが、逮捕されて一発目の暴力は下っ端の刑事にトイレで臀部に膝蹴りを入れられた。(下っ端とは取り調べができない巡査部長クラスなので。取り調べができるのは司法警察職員といわれる巡査部長以上の階級になる)


取り調べ中トイレに行く際、腰縄で縛られるのだが、トイレに着くや否や耳元で


「逃げるなよ。」と馬鹿の一つ覚えのように連呼された。

 

誰が逃げるかというのだ。


そもそも逃げれないようにしているのだろう。

 

こうやって心理的に追い詰めていき自白を強要するのだ。

 

取り調べに関し特に私がやられたと思った事がいくつかある。

 

家宅捜索が朝6時30分頃、逮捕されたのが10時過ぎだった。

 

土曜の朝だったので、顧問弁護士が休みを返上して留置所に来るまで6時間ほどかかった。

 

その間に刑事にいいように1回目の供述調書を作りあげられた。

 

先方の先制攻撃が綺麗に決まった形になった。

 

取り調べがないときはひたすら留置所(牢屋)に閉じ込められているのだが留置所も一人部屋ではない。

 

私のいた警察署は3~4人くらいの雑居だったのだが、古株が横浜の半グレで組織犯だったのでそこに半年間拘留されていた。

 

年齢は当時40歳だったと思うがとにかく規則を押し付けてきて、夕飯は17時に冷や飯がでるのだが、新入りがすべて段取りをしなければならない鉄の掟があった。

 

刑事もそれを見計らって16時50分に取り調べ室へ連行する。

 

と言っても、私の領置物を壊したなど、普段なら私が怒るような事を打ち明けてくる。

 

なぜその時間かというと新入りの私がご飯の準備をしなければならず、遅れると小言をいわれるからだ。

 

仕方なく、頭に来ていたが17時までに留置所に戻らなくてはならないので書類の中身もほとんど見ずに指印を押した。

 

房の規律を守らないと面倒くさい事になるのだが、そもそも房の先輩に生理的に嫌われると悲惨な事になる。

 

私の後に入ってきた60代の古物商のオッサンはいびきがうるさい、加齢臭がきついという理由で、就寝後に40歳の半グレに顔面に思いっきりマクラを叩き付けられていた。

 

きつい取調べのあと熟睡しているところ、この仕打ちはきついだろうなと思いながら寝たふりをしながら私は様子をうかがっていた。

 

看守は何をしているか?と思われるだろうが見て見ぬふりだ。どうせ夜は巡査クラスの下っ端しかいないので事を荒立てても仕事が増えるだけなのである。

 

起訴されるまでの22日間に思ったことは、仮に軽度の知的障害を持っている人が逮捕されたとすれば自白調書の作成は楽だろうなと思った。


適当に供述調書を作り上げれば一仕事終わるので本当にやったかどうかは関係がないからだ。

話は反れるが、もしあなたが金に困り窃盗など下らない犯罪を考えているのなら合法的な美人局でもやったほうが一件につき新車一台分くらいの実入りにはなることを覚えていてほしい。

私が出所する半年前位に高畑雄太が強姦致傷で逮捕されたが、あれもどこまでやったか分かったものではない。

 

恐らくハメられたのだろう。

例えば、ホテルの従業員がサインを下さいといって部屋に押し掛けたとしよう。


そこで酒をのんだ高畑がウザったく思い、手を払ったとしたら雄太氏のDNAが従業員の手に付いてしまうのだ。

そこで無理やりベットに押し倒されそうになりました。と警察に連絡をすれば冤罪の一丁出来上がりというわけである。

このケースは1500万円の示談金で手打ちとなったが、似たようなケースを刑務所で聞いた。

 

東京在住の50代、ちょいワル親父といった社長さんが飲み屋のねーちゃんを少し強引にホテルに連れ込み事に及んだら、刑事告訴された。また示談で500万円払っているのにもかかわらず4年半の実刑判決を受けたのだ。

 

この世代は少し強引なところがあるだろうがこのオッサンの話を聞いている限り、野暮ではない。

 

遊び慣れているのでどこまでが大丈夫かのさじ加減は知り尽くしているタイプだった。

 

だが小銭を持っている事はだれが見ても容易に想像がつくのでいいカモだったのだろう。

 

この人から刑事訴訟記録を見せてもらったのだが、被害者であるホステスも明らかに誰かに入れ知恵されている事が容易に想像がついた。

 

今回は50代のオッサンの中ではセーフでも20代の独身女性ならアウトの事案だと思うが、被害者が既婚者で35歳さらにベテランのホステスだというのだからこれはもうハメられと思うほうが自然だろう。

刑事事件全般に言えることだが、やったかやらないかではなく客観的な事実が形成できればよいのである。

なので気に入らないやつがいたらその人間の持ち物にシャブでも紛れ込ませ通報すれば暫くシャバからは消えてくれる。

 

尿反応がでるかどうかは関係がない。シャブは持っている事が罰せられるのだ。

 

覚せい剤と言えば今回捕まってみて日本は私が思っているより薬物が蔓延している事を知った。

刑務所の中でシャブの売人が何人かいたがいまどきはネットで調べて(掲示板サイトとかわかる人にはわかるように書いてあるらしい)家に届けてくれるらしい。

まるでamazonのお急ぎ便のようだと感心した。しかもカモフラージュとして伝票の品物欄にプロテイン若しくは健康食品とかいてプロテインとかの袋の中にパケを紛れ込ませて送るらしい。


確かに投与すれば力みなぎるのだろうけど健康食品ではないよねと苦笑いした。

余談だが関東と関西ではシャブの入手ルートに特色がある。関東では売人と長く付き合っていくのに対し、関西ではあいりん地区に代表されるようなドヤ街に売人が立っているのでなんとなくそれらしい人に声をかけて売って貰うそうなのである。

 

関東はリピーターが多く、関西は一期一会らしい。

 

警察署の留置所ではこんなブラックジョークにしか聞こえない真面目な話が多かった。