ワープは “ウォープ”? | DVD放浪記

ワープは “ウォープ”?

 

 

 

 

 

アマゾンから “不審物” が届くが、今日のところはスルーしておこう。 (^^;

 

 

で、昨日からの続きである。

 

fantasy ということばがいつ頃日本でカタカナなどに音訳されたのか知らないけれど、それが戦後広く一般に普及するにあたって少なからず貢献したのは早川書房ではなかっただろうか? 

 

福島正美は、自身の回想録『未踏の時代』のなかで、「SFマガジンの創刊は1960年の2月号である」(発売は1959年末)と記したうえで、こう述べている。

福島正美?

 

 早川書房は、それよりもさらに二年前──一九五七年末から、〈ハヤカワ・ファンタジイ・シリーズ〉と銘うつ海外SFのシリーズを刊行していた。『盗まれた街』(フィニイ)『ドノヴァンの脳髄』(シオドマク)『火星人ゴーホーム』(ブラウン)『吸血鬼』(マティスン)『宇宙の眼』(ディック)『鋼鉄都市』(アシモフ)『呪われた村』(ウインダム)などが、その頃までに出た主なSFである。

 

そして、創刊当初、範としたのは、Magazine of Fantasy & Science Fiction だった。

 

SFマガジンは、ファンタジー・&・サイエンス・フィクション日本語版として誕生すべく、準備がすすめられたのである。

 

 

 

もちろん、英米文学者や海外児童文学の紹介者のあいだでも “ファンタジー” ということばはよく使われていたのだろう。“ファンタシー” もか? 知らんけど。(^^;

 

 

 

 

SFがらみのカタカナ英語でもうひとつ思い出すのは、映画やアニメなどですっかりおなじみの “ワープ” である。

 

私たちが住むこの地球から太陽以外の恒星まで到達するには、光の速度でも 気の遠くなる年月を要することになる。そこで、かつてのSFファンは1枚の紙を取り出し、そこに間隔を空けてAとB、2点の印をつけてから得意気にこう説明するのである。(^^;

 

フツーなら、AからBまで行くには、2点間を従来の推進方法で律儀にノロノロと進んでいくしかない。ところが、もしも、こんな風に(と件の紙を弓なりに曲げてAとBを重ねて見せ)空間を曲げることができれば、瞬間的に移動が完了する。これが “ワープ” なんだよ。

 

この “ワープ” は、「曲げる、歪める」を意味する warp からきたカタカナ英語らしいけれど、辞書を見ると、実際には “ウォープ” (/wɔːrp/)と発音されるようだ。

 

たとえば、「戦争」という意味の war は “ワー” ではなく、“ウォー” と発音される。つまり、音声的には、warp = war + p ということらしいのだ。

 

ちなみに、手もとの電子辞書(CASIO XD-G20000)に収録されている学習英和辞典で war を見ると、綴り字からの連想で発音を間違えないようにということか、いろいろと注記がある。『ジーニアス英和辞典』『オーレックス英和辞典』なら、「《発音注意》」、『ウィズダム英和辞典』では、「! -ar- は /ɔːr/;wore と同音」といった具合である。

 

でも、今後は、warp についても注記が必要になってくるのではないだろうか……(^^;