今年のGWも特に旅のプランなどなく、ダラダラと……というより、私の場合、既に遅れ気味のラジオ講座のキャッチアップにこれ努めなければいけないところなのだけれど、青空に誘われて、今日は外出することに決めた!
そう、明日こそはちゃんとやればいいのだ! (^^;
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ということで、(これが大散財の1日になるとも知らずに)やってきました神保町。
まずは銀行のATMで5000円をおろす。古本購入用に2000円、キッチン南海あたりでのランチ用に1000円、そして、明日のドトールカードチャージ用に2000円という、我ながら天才的な予算配分だと思う。
そして向かった明倫館書店前に並ぶワゴンを右端から見てゆく。ここは右側から中央にかけてガチガチの専門書があり、その左側に一般向け解説書が置かれるのが常だ。そして、歩道に直置きされた段ボール箱がいくつかあり、店内への入り口への導線を飛ばしたさらに左側にはほぼ洋書で占められるワゴンが並んでいる。
その一般向けワゴンの上に、だれかが抜き出したまま放置していたのか『生命はどこからきたか』が無造作に置かれていた。フレッド・ホイルとチャンドラ・ウィックラマシンゲ共著の本である。
1995年刊行というわりに比較的きれいな状態にあるのは、まともに読まれることなく処分されてしまったということなのだろうか。まあ、異端の理論物理学者が自身の専門外の分野に首を突っ込んだテーマともなれば、まともな扱いをされなくても致し方ないのかもしれない。
ただ、ホイルが切り開いた方向への関心は、今日間違いなく高まりつつあるあると言っていいと思う。
『生命はどこからきたか』が200円だったのに気をよくして、財布の紐が緩み、ここでは、全6冊合計1400円の出費となってしまったのが最初の誤算だった。
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既に2時を過ぎていたので、急ぎキッチン南海へ。ここは3時から5時まで休憩時間になってしまうのだ。
この時刻ではお目当てのひらめフライしょうが焼きは無理なので、私はイカフライしょうが焼きを注文した。もちろん、「ライスは半分で!」と言い添えることは忘れない。それでも、カウンター越しに「これぐらいでいいですか?」と大盛りのライスを見せるのがこの店の “あるある” なのだ!
ランチをがっつり腹におさめてから、私は通りを隔てて向かいにある羊頭書房へと向かった。
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このところ、この店で買う洋書が少なくなっているのは、財政的には喜ばしいことで、今日も収穫は見込めないものと決めつけていたら、こちらも大誤算!
レイモンド・チャンドラーとポール・ギャリコの短編集、そしてオルダス・ハックスリイのペンギン版『知覚の扉』の3冊で1600円は少し痛いなと思いつつ後ろのSFの棚のほうへ振り向くと、パッと目に飛び込んで来たのが、黄色地に黒くくっきりと浮かび上がった THE NATURE OF THE UNIVERSE のタイトル。もちろん、ホイルの『宇宙の本質』の原書である。既にペンギン版等でも持っているけれど、英米版で細かな異同がありうるやも……というのは、まあ、後づけの理由で、1955年の米国 Mentor Book 版の初版(英国の原著は1950年に刊行)にしては非常にいい状態(500円)だったことが大きい。ほとんどレコードのジャケ買いの世界……。
結局これも加え、ビニール袋とあわせて4冊合計2102円と相成ってしまった!
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もうこれ以上の出費はいけないと自分に言い聞かせながら足早に駅へ向かう私が通りかかったのが澤口書店! でも、まあひと休みしていくかと、2階にある自販機の100円コーヒーでくつろいでから、今度こそ直帰だと外に出たところの棚に捕まってしまい、結果4冊合計800円を支払うハメとなってしまった。支払いを済ませてから後に見つけてしまった田村隆一が訳したという『キャッツ』など全部無視して駅へ直行だ!
「もうこのGWで買い物はできない。ホント、ダメ男だよなぁ……」とつぶやきながら家路をたどるホイル日和の1日であった。 (^^;