神宮輝夫氏逝去
神宮輝夫氏が亡くなられた。モーリス・センダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』や、アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』シリーズなど、長年にわたる英米児童文学の翻訳、研究で知られる。特に「ランサム・サーガ」については、当初は岩田欣二氏とともに日本の読者への紹介に務め、後年、単独で全12巻の改訳(岩波少年文庫)を手掛けられた。
◆ 永遠の夏の光!
私も、大学時代は、文学とは無縁の学部に所属しながら、神宮氏が、瀬田貞二氏、猪熊葉子氏らとの共著で1971年に著した『英米児童文学史』(研究社)を片手に(もっぱらパッフィン・ブックス目当てに)都内の洋書店のあちこちをめぐり歩いたものだった。訃報は残念でならないけれど、訳書の数々は今後とも多くの読者に読み継がれてゆくことだろう。合掌。
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神宮輝夫氏死去 児童文学者、青山学院大名誉教授
配信
神宮 輝夫氏(じんぐう・てるお=児童文学者、青山学院大名誉教授)4日午後6時31分、間質性肺炎のため東京都世田谷区の病院で死去、89歳。 群馬県出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は長男健(たけし)氏。
米国の絵本作家モーリス・センダックの絵本「かいじゅうたちのいるところ」や英国の児童文学作家アーサー・ランサムの連作「ランサム・サーガ」などの翻訳を手掛けた。1964年に「世界児童文学案内」で日本児童文学者協会賞を受賞。2009年には国際グリム賞を受けた。
配信
《写真省略》
神宮 輝夫氏(じんぐう・てるお=児童文学者、青山学院大名誉教授)4日午後6時31分、間質性肺炎のため東京都世田谷区の病院で死去、89歳。群馬県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長男健(たけし)氏。 モーリス・センダック氏の絵本「かいじゅうたちのいるところ」や「アーサー・ランサム全集」など海外児童文学の翻訳を数多く手掛けた。
児童文学の評論や研究者としても活躍し、64年「世界児童文学案内」で日本児童文学者協会賞。09年エクソンモービル児童文化賞。
金曜日
【お悔み】神宮輝夫先生が、8月4日に89歳で逝去されました。
児童文学者、翻訳家としての数々の業績については、すでに皆さんの知るところです。
神宮先生は、1983年からJBBYの会員でした。
1986年にアジア初のIBBY世界大会が東京で開催されたときは、実行委員のおひとりとして奔走され、編集委員会委員長としてすばらしい大会録を残してくださいました。
1987年から8年間JBBYの理事も務められました。
2014年には、アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』シリーズの改訳で、IBBYオナーリスト翻訳作品部門に選ばれ、第4回JBBY賞をお贈りしました。
写真は、2015年6月に行われたJBBY賞授賞式のものです。
やさしい笑顔が忘れられません。
心からご冥福をお祈りいたします。


