電子立ち読み「太陽系最後の日」 | DVD放浪記

電子立ち読み「太陽系最後の日」

瀬名秀明を講師に迎えたNHKのEテレの「100分de名著」シリーズの「アーサー・C・クラーク スペシャル」は未見なのだけれど、テキストだけはキンドル版を買って読んだ私は、彼の短編「太陽系最後の日」を読み返したくなった。

 

 

 

ただ、それが収録されていたであろう本は、情けないことに、行方不明状態にあり、といって、改めてそれが収録された本を買い直しに書店に出向くのもなんだかなあとグズグズしていたら、いい方法を思いついた。

 

 

 

 

彼の短編を3巻に集成した〈ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク〉の第1巻『太陽系最後の日』のキンドル版サンプルをダウンロードしたところ、なんと、これが巻頭に掲載されていたのだ。しめしめ、ラッキーと読み始めたわけだが、なんとラスト近くの以下の段落で途切れてしまっていた!

【同作品未読の方は、以下の空白部分を選択反転してはいけない!】

 

(あーあ、いけないって言ってるのに!(^^;

 

 行進する軍隊さながらに整然と、隊列を組んで広大な三次元に広がりながら、無数の小さな光の束が、延々と宇宙空間にのびている。それらは急速に動いていた。巨大な三次元に広がりながら、無数の小さな光の束が、延々と宇宙空間にのびている。それらは急速に動いていた。巨大な立体格子は、ひとまとまりの形を保っている。アルヴェロンと同僚が見まもるうちにも、大編隊はスクリーンからはみだしはじめ、ルーゴンが制御装置を調節して、中心に戻さなければならなかった。

 

 

う~ん、これはちょっと悔しい。やはり書店で立ち読みするしかないのだろうか? いや、待て。もしかしたら……ともう1冊別のキンドル本をダウンロードしてみた。ビンゴである! 最後の1行まで残らず読み切ることができたのだった! (^^;

 

 

 

 

この THE COLLECTED STORIES Arthur C. Clarke のサンプル版では、クラーク自身の序文に加え、「太陽系最後の日」(Rescue Party)を含めて1ダース以上の短編が原文で読める(その中には、ジョン・W・キャンベルが編集長時代の「アスタウンディング」誌に掲載された、クラークの商業誌初登場作品 Loophole もある!)。しかも、各短編の冒頭には短いながら、作品の成立事情についての貴重なコメントが付されているのだ。ちなみに、ハヤカワから刊行された3巻本は、この英語版とは別個に日本国内で独自に編集されたもので、一部に自伝的なエッセイも収録されている。過去に刊行された短編集が軒並み絶版状態のいま、彼の短編をまとめて読めるのはここだけだろう。