リンカーン嫌い | DVD放浪記

リンカーン嫌い

リンカーンといえば、奴隷解放に尽力し、南北戦争終結の5日後に凶弾に倒れた第16代アメリカ大統領として偉人伝の定番となっているが、ロナルド・タカキの『アメリカはなぜ日本に原爆を投下したのか』には以下のような一節があった。

 南北戦争のとき、トルーマン〔第33代大統領〕の母親は南軍を支持した。引退後のトルーマンにインタビューしたマール・ミラーによれば、母親は「リンカーン大統領が暗殺されたとき、喜んだ」という。トルーマンも語っている。「ホワイトハウスにいたころ、母と妹がワシントンにたずねてきた。弟が母に、あいているベッドはリンカーン寝室のひとつだけだといったら、『リンカーンのベッドに寝かせるというんだったら、床で寝るからとハリーにいいなさい』といわれた。母ならほんとうにそうしただろう」

 

当時の合衆国が南部・北部に二分され、内戦状態に陥ったことを、知識としては分かっていても、こうした個人のメンタリティーにまではとても想像が及ばない私などには、ハッとするエピソードだった。

 

そして、これを「ちょっといい話」というのは筋違いかもしれないが、この母親にはどこか憎めないものを感じてしまった。 (^^;