SF御三家:足毛布之巻
ハインライン、クラークと名前が出れば、お次はアイザック・アシモフ(アジモフ)である。
Isaac Asimovはロシアに生まれ、一家とともにアメリカへ移住後、ニューヨークで雑貨店を営む父を助けながらコロンビア大学へ進むいっぽう、学生時代からSF雑誌に短編を寄稿し、他のふたりとほぼ同時期に雑誌デビューを果たしている。
その後ボストン大学の生化学准教授となってからも、多数のノン・フィクションを矢継ぎ早に発表し、これが大学当局から問題視されるのだが、そのあたりの経緯は彼の自伝に詳しく記されている。
アシモフと映画を語る上で欠かせないのは、『ミクロの決死圏』だろう。これは、あくまでも映画「ミクロの決死圏」(1966年)のノベライゼーションにすぎないのだが、映画のプロット上の弱点をそれなりに補強した本書は、この種のノベライズものとしては良質の部類に入り、彼のロングセラーのひとつとなった。生化学の教科書を共同執筆し、『人体の話』、『脳-生命の神秘を探る』や、血液についての科学解説書を執筆していた彼にはうってつけの題材だったことだろう。
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彼は、後年紆余曲折を経たうえで『ミクロの決死圏』の続編を執筆することになるのだが、それはまた別の話ということで。
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アシモフ自身の作品で映画化されたものは数えるほどしかない。代表的なものは、彼の初期短編を映像化した「夜来たる」(2000年)。そして、彼のロボットをテーマにした作品を映画化した「アンドリューNDR114」(1999年)と、ウィル・スミスが主演した「アイ・ロボット」(2004年)である。
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以前、彼の銀河帝国の興亡を描いた長編シリーズが映画化されるとか、リドリー・スコット監督が、アシモフ唯一の時間テーマもの『永遠の終り』を映画化するといった噂が流れたりしたものだが、その後どうなったのだろうか。彼のファンとしては気になるところである。