『アベンジャーズ インフィニティウォー』まであと2ヶ月。
あの映画には予告編を見る限りでもすさまじい数のキャラクターが出てくるが、それぞれにちゃんとバックストーリーがあり、それを知ることで楽しめる。
そんな仕掛けのために今回も生まれた単独映画『ブラックパンサー』。
「マーベルの一作目はだいたいつまらない」という僕の予想は外れるのかどうか。
【あらすじ】
若き国王ティ・チャラ、またの名を漆黒のヒーロー<ブラックパンサー>。
2つの顔を持つ彼の使命は、祖国である超文明国家ワカンダの“秘密” ──“ヴィブラニウム”を守ること。
それは、世界を破壊するパワーを秘めた鉱石だった。
突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラは、人類の未来をも脅かすこの国の“秘密”を守る使命を負う事に。
だが――「私に、使命が果たせるのか…?」
ミステリアスな新ヒーローが躍動する、ハイスピード・アクション・エンターテイメントが幕を開ける!
2016年の『シビルウォー』でいち早くブラックパンサーが出てきてしまったため、この作品から観ると半端に情報不足に陥る。
しかし見ている内に分かるので心配はご無用。
「前国王はテロに巻き込まれて死んだ」と思ってもらえれば結構。
もしそれでも不安なら『シビルウォー』を見てね。
ワカンダ。
豊かな自然と高度な文明が共存する国。
自国を守るため本当の顔は隠して他国と経済的交流がないという設定なんだけどそれって無理がありすぎない?
外貨の獲得ができないってかなりの打撃だと思うけど。
だってさ、要は国内流通する通貨量を上げるためには貨幣を刷る必要があるってことじゃん。
いや、待てよ。
書いてて思ったけど「他国と貿易しない」って言われてたけど農作物とか畜産品くらいは輸出してるかもな。
それなら発展した文明もバレることはないな。
そういうことにしとこう。
さっきも書いたけど、ワカンダは高度な文明と豊かな自然が共存する国だ。
だから伝統も大切にしている。
新国王を決める儀式もなん滝の上流で行われる。
で、すごくアフリカっぽい衣装や装身具、そしてすごくアフリカっぽい踊りが出てくる。
すごくアフリカっぽい。
腹が立つ。
そういうステレオタイプなものを見せられると、なんだろう、差別的だと僕は感じるのかもしれない。
しかし劇場にいた黒人のみなさんは怒っていなかった(むしろ笑っていた)ので外野のぼくとしては言えることはないだろう。
ワカンダ国王の護衛を務める「ドーラ・ミラージュ」のはどうしてかわからないけど全員が女性だ。
しかしどこぞの北朝鮮の喜び組とはわけが違う。
彼女らは戦士なのだ。
最新鋭のソニックなんとかという機能を付けた槍を持ち、伝統の衣装に身を包み国王に忠誠を誓うその様は実に勇ましい。
全員スキンヘッドだけど。
男たちはいったい何をしているのだろう。
そしてどうして女性なのだろう。
ていうかなんでスキンヘッドなんだろう。
もうこれだけ強そうなスキンヘッドが集まっていると鳳仙学園と見間違う。
圧巻である。
ネタバレになるのでストーリーに関しては深く言及できないんだけど、ぶっちゃけた話をすれば「これライオンキングじゃね?」と思った。
アフリカっぽさと貴種流離譚。
あとオーロラで父親の霊魂と再会するところ、とか。
うん、まあ、ディズニーだけどさ。
それ以外は特に見どころのある映画ではなかった。
アベンジャーズまでのつなぎとしか思えない。
正直見に行かなくてもいいかな、って感じである。
「暇だなあ」と思う人は行くといいだろう。