ボンドの繊細な心とアーマー No Time To Die | 小心者の大胆不敵 

小心者の大胆不敵 

徒然に映画の感想綴ります。
偏愛映画多め。推しの愛にあふれ暴走気味。
現在Archie Madekwe推しです。大好き。

No Time To Die 2021)

地方の公開も終わりつつあり、寂しい。

(もう地方もクリスマス前には終わっちゃうね)

The Making Of The Film

No Time To Die

洋書を買って読んでたら

もうそろそろ翻訳版でるという(読むのが遅い)

その中でフクナガ監督のコメントを読み、

ハッとしました。

(※以下ネタバレしてます。)


ヴェスパーの墓での爆発、そこから

リタイヤしていたボンドは一気にここで

007』にスイッチする。

イタリア、マテラでのオープニング、

カーチェイスに銃撃戦の場面。

フクナガ監督のコメント。

「この映画の最初の部分は、マドレーヌについて、

そしてボンドにとってのマドレーヌとは、だ。

DB5のアーマーは、ボンドのアーマーなんだ。

だから、あの広場にDB5が入っていって、

プリモたちに撃たれるところは

ボンドの心が撃たれているんだよ。

そしてマドレーヌと同じく観客には

車の中にいて、激しく降り注ぐ銃弾の中にいる

臨場感を感じてもらいたい。」

(私の拙い訳なのでざっくりです。すみません)


Qはいろいろ仕込んでいたのだな、、と思った。

この口元、好きです。そして切ない。


何百発にも思えるほどの銃弾(裏切り)を受け、

今にも割れそうな助手席サイドの窓(ボンドの心)。ギリギリで持ちこたえるけど…。


繊細なボンドは

こうして、また心にアーマーをつけてしまう。

ヴェスパーのときのように。

スクリーンで観ていても、ほんとうに

胸が痛いシーンだった。

そして弾が窓に当たる音が響くたびに

ボンドの心が傷つき、壊れていく。

ボンドは怒りを外側に纏っていたけれども、

その怒りは傷ついたハートを守るため…。

マドレーヌを愛しているのに

裏切られたかもしれないと思ってしまうのは

彼の過去からだと仕方ないのだろうか。

(でも、でも!!スペクターよ、ブロフェルドよ?

思い出して、He's the author of all your painなのよ)


この時のダニエル・クレイグのボンドの表現、

そして

マドレーヌの涙(ぐしゃぐしゃの顔で泣いてた)

わたしは映画館で早くもここでもうダメやった(泣いた)。

マドレーヌもボンドの怒りの本気度を感じ、

どうして裏切ったと言われるかわからぬままだが

別れを実感しただろう。



why would I betray you!? いっそ殺して!

(わたしもそう言ってしまいそう…つらい)


ここから駅で列車にマドレーヌを乗せ、

ビリー・アイリッシュの曲が流れるオープニング。


ドラマティックすぎた。

こんなつらい別れ方なんて。

2人はなぜ愛し合い

そして、傷つけあうのか。

それは運命なのか。


ダニエル・クレイグのボンドは5作通して

ボンドの人間としての弱さ、脆さ、そして頑なさ、

間違いもするし、後悔もする人間くささ。

そんなボンドのリアリティが詰まっています。


このメイキング本、日本語版予約販売中。

24日から発売です。

わたしはがまんできずに洋書でデカイの買ってしまった。

(日本語版も予約してるけど)。


ダニエル・クレイグ最後のボンド作品。

いろいろあるけど、

(まだなんかこう、受け止められないというか。ううう。)

彼の想いや作り手の意図をこうやって知ると

また違う楽しみ方や考察が生まれるな〜と

しみじみメイキング本のページをめくってます。


No Time To Die 3回観たあとの感想。

(12月までに6回観たけど、毎回最初と最後で泣いた)

ダニエル・クレイグが痺れるほど最高なNo Time To Die




No Time To Die Trailer