今クール放送中の
TBSの『下町ロケット』が面白い。
大ヒットドラマ「半沢直樹」
でお馴染み、
池井戸潤さんの原作。

最近は、地上波TVドラマは
あまり観なかったんだけど、
やはり面白いものは面白い。

池井戸潤さんの原作のTVドラマは
「半沢直樹」だけでなく、
「ルーズヴェルト・ゲーム」、
「花咲舞が黙ってない」など
ヒット作品があり、
どれも面白いが、
この「下町ロケット」が私の立場からして
やはり共感度No. 1!

まず、初回は、
阿部寛が演じる主人公、
下町の小さな工場の経営者が
いきなり経営危機に
陥るところからスタート。

社員数は200名とそこそこの中小企業だが、
ロケットという果てしないスケールの
規模の代物を開発する会社としては、
「吹けば飛ぶような」(吉川晃司演じる
大企業の航空部部長のドラマ内セリフ)
小規模企業。

それなりに古びた社屋で、
作業着姿の阿部寛が髪を振り乱し、
資金繰りに奔走する
ありがちな序奏だが、
主人公は、
実は業界では画期的な特許開発を
発明した開発者。

「ルーズヴェルト・ゲーム」も
唐沢寿明演じる、
同じく経営者だったが、
さすが熟練の演技も、
彼の持つスマートさが先行して
経営者として苦境に立たされても、
さほど感情移入出来なかった。

唐沢さんは、
「白い巨塔」や「不毛地帯」で魅せた、
野心にあふれ、
目的達成の為には時として他人を利用し、
手段を選ばず突き進む狡猾さを
併せ持つ役がよく似合うと思う。

そこに来て、阿部寛さんは、
幅の広い役者さんだなと思う。
コミカルな演技はお手のものだし、
彼が演じれば最悪な性格の主人公も
どこか憎めない可愛げあるキャラクターになる。

今回は、
夢の実現(ロケットを開発する)に向かって、
社員を思い、
情熱で周囲を巻き込んでいく
主人公。

かつての起業家ドラマと比べ
何ら目新しさはないが、
阿部寛さんの演技の
若干の血の気の多さといい、
暑苦しさといい、
スマートではない
荒削りで、
ちょっとした不器用さが共感を誘う。
故に、ピンチについハラハラしてしまう。

それでいて、
並々ならぬ開発、技術力を持つ
才能がある役柄。

そこに、元銀行員の作者の視点で
モノづくりをする人への
崇高な敬意や尊敬の念が感じられる。

そのバランスが見ていて心地良い。