僕には物欲というものがあまりない。

 

クルマや服やアクセサリーetc

 

モノに釣られる事もなければ

 

手に入らないと分かれば諦めも早い。

 

 

 

有るのは

 

誰にも説明出来ないこだわり

 

あとは拭えないわだかまり

 

家財も、お気に入りの本数冊以外は

 

結構バッサリ処分できる。

 

 

 

ただ、その作業が面倒なだけ

 

だからほっといたら埃とガラクタだらけ

 

 

 

拭うすべを知らないから

 

ほっとくと積もり積もるだけ。

 

 

 

 

 

 

先日、高3の娘に

 

「もうお年玉は最後だよね?」

 

と聞かれた。

 

サンタの正体を知ってしまった彼女にとって

 

それは、

 

バイト以外の唯一の収入源のはず。

 

両祖父母がいない彼らにとっては

 

最後の砦なのかもしれない。

 

 

 

 

「なんでウチはみんな早く死んじゃうんだろ?」

 

 

 

 

呟く冷めたひと言と、その視線の先が

 

僕の緩んだ腹を指していたのは

 

気のせいだろうか?

 

 

 

 

嫁と田舎の風習のおかげで

 

盆暮れ、お彼岸、命日に

 

自治会、組合、ドブ掃除

 

お寺さんやご近所さんとの付き合いも

 

苦も無く難なく出来てるのかな?

 

 

 

 

特に宗教上のこだわりは無いけど

 

昔、住職さんに勉強教わったからかな?

 

法事のお経や説法が長くなることも

 

今ではありがたいとさえ思える。

 

 

 

お寺の玄関には笑い文字で書いて渡した

 

 

「ありがとう」のハガキが

 

ずっと飾られてある。

 

 

 

 

近所のおじさん達(over60)と一杯やってても

 

いつも出るのは、毎度おんなじ昔話。

 

オチまでわかるのに、何度聞いても有難い。

 

 

 

 

ーお前の親父はマメでなぁ〜

 

子供の世話が大好きで

 

子供会やソフトボールの監督やったり

 

竹でご飯炊いたり、川で捕った鮎食わせたり

 

しまいにゃ〜

 

自分で少年野球チーム作っちゃうんだからな

 

いつも呑む酒は楽しい酒だったよ

 

お前は酒飲みと体型だけ受け継いだな〜

 

そうやってニコニコ頷く姿 似てきたな〜

 

 

 

 

確かにお酒の量と外っ面の良さ、

 

外で見せる姿と家とで違うところも

 

実は似てきていて、ホントはシャイで、

 

飲まなきゃ無口な所は間違いなく血筋だろうな

 

 

 

 

 

あっという間に月日だけが流れて

 

何故かずっと伝えたかったことが

 

何故か今頃になって溢れてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

親父。。。

 

今更なんだけど、、

 

聞きたいことがあるんだ。

 

 

 

あの日から今までのこと。

 

 

 

結構この歳になってわかったことが

 

いっぱいあるんだ。

 

別に答えが欲しい訳じゃないんだ。

 

あなたならどうしたのかな?

 

って何となく思っただけだから。。

 

 

 

 

 

そういえば、

 

最後にゆっくり話したの

 

結婚式の前日だよ。

 

親戚衆と遅くまで呑んだ時までさかのぼるよ

 

 

 

お互い調子こいて飲み過ぎたから

 

おかげでお腹壊して、俺

 

式、遅刻しそうになったこと思い出した!

 

 

 

 

 

結局孫の顔も見ないまま

 

馬鹿息子のその後の悪戦苦闘も知らないで

 

夏の朝、野球場の片隅で倒れちまうなんて。

 

 

 

 

 

家長としての最初の仕事が

 

駆けつけた救急治療室での

 

人工呼吸器停止の了承だなんて

 

何というかやるせなくて

 

死刑執行人のボタン押す気持ちだった。

 

 

 

 

そう、息子共々感謝したいことがあるんだ。

 

あなたが倒れたあの球場で

 

ちゃんとプレゼント用意してくれてた事。

 

13年間ずっと待ち続けてくれたのかな?

 

まさにそれは天国からの贈り物だったよ

 

 

 

 

俺に似て野球が下手っクソな息子でさ

 

6年生になっても守る所ないからって

 

監督から与えられたポジションは

 

 

ピッチャー

 

 

エースのキャプテンが怪我して不在で

 

迎えた小学生最後の県大会の舞台は

 

僕らにとっては切ない思い出の場所のはず。

 

 

 

春先を知ってる人なら誰もがコイツ

 

この日のマウンドに立てるなんて

 

贔屓目にみても想像出来なかっただろうな?

 

でも綱渡りのように

 

何かに導かれるように

 

確かにその舞台に上がったんだ!

 

 

 

それは緊迫した試合展開

 

誰もが予感し始めた最終回

 

最後まで味方の好守に助けられて勝利

 

終わってみれば因縁のこの場所で

 

やってのけたノーヒットノーラン

 

 

 

 

奇跡ってホントあるんだな〜

 

 

 

 

勝因の解説や賞賛も

 

新聞取材や表彰も

 

僕らにはあまりピンと来なかった。

 

努力とチャンスと運が巡り叶う

 

奇跡だけで充分だった。

 

 

 

それよりずっと僕は探していたんだ。

 

 

 

スタンドのどこか方隅で

 

握り飯片手に

 

ビールでも飲みながら

 

目を細めて

 

頷いてくれている

 

 

あなたの姿を。

 

 

 

この先、僕らが進んで行く道にとって

 

それは大きな自信と灯火になったこと。

 

 

 

 

 

 

それだけを伝えたくて

 

ただ感謝したかっただけなんだ。。。

 

 

 

 

 

 

 

おじいちゃんありがとう〜

 

 

 

その日、仏前で言わせた孫の言葉

 

覚えていますか?

 

あなたの孫はあなたの顔も知らないのに

 

あなたは13年間ずっとずっと

 

この日を待っていたのでしょうか?

 

 

 

 

でもあなたがホントに届けたかったモノは

 

これだけじゃなかったんだよね?

 

 

 

 

その先の出来事の中で

 

僕にとっても家族にとっても

 

かけがえのない時間に

 

かけがえのない人達と

 

 

巡り合わせる事

 

 

じゃなかったのかな?

 

長男の野球しかり

 

次男の不登校も

 

娘のドタバタも

 

安請け合いして四苦八苦する僕の顛末も

 

経験させて悩ませて

 

落ち着く場所に収まっていく。

 

結局全てが人の助けで結ばれていくように。

 

 

 

 

 

 

 

そう言えば、思い切って独立もした。

 

散々周りに迷惑かけてきた僕の最後の賭け。

 

不思議な事に何故か失敗する気は無かったよ!

 

 

 

親父は商売屋じゃなかったから

 

当時の僕の事どう思ってたのかな?

 

 

 

僕の買い目は大穴?じゃなくて

 

堅い本命のはずなんだけど。。。

 

なんちゃって。。。

 

 

 

配当は少なくても自転車操業はお手のもんだ!

 

結構、以外と親父もあの世で

 

ド〜ンと張ってくれてたんじゃないの?

 

あっちの実況ドキドキ聞きながら。。

 

違うか。。。

 

 

 

とにかく、

 

出会う人出会う人いい人ばっかりだから

 

 

「お陰様でボチボチ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

が口癖になってしまったし

 

なにせ出会った人の数だけ物語ができる程

 

個性的な人がいっぱい出てくるから

 

ネタには困らない毎日だよ。

 

 

 

だから僕の事は心配しないで下さい。

 

実はこの歳になって、これから、

 

もっと大きな賭けに出ようと思っているんだ!

 

 

 

ところで、

 

ずっと病気がちで心配かけてきた

 

母の事なんだけど、、

 

 

 

あっ!その前に、

 

隣のシャブ中、そっちに連れてってくれたの

 

親父じゃないよね?

 

お陰でわが家、新築にできたし

 

人殺しにもならずに済んだ。

 

とにかく、母もビックリして

 

元気になっちゃった。

 

10年間も。

 

子供達の成長見守り続けるには足りない

 

10年間だったけど。。。

 

 

 

たったその10年さえも 俺、

 

孝行できなかったけど。。。

 

 

 

急とは言え、忙しさにかまけて

 

最後は看取る事も出来ないで

 

ひとり朝飯食べかけのまま

 

ひっそり冷たく硬くなっちまうまで

 

気づけなかった僕らの事

 

 

 

責めますか?

 

 

 

親父の残したモノ

 

実は

 

形としてはあまり無いんだ。

 

 

 

あるとすれば

 

あなたが情熱注いだ少年野球チームが

 

今年で40周年を迎えたことかな。

 

あなたの思いを繋ぐ人達のお蔭で

 

今週末に記念式典開きます!

 

 

 

 

 

僕にどこまで出来るか分からないけど

 

繋げることは繋いでいかないとね。

 

わが子も含めて僕自身

 

皆の成長、見守ることしか出来ないけど。

 

 

 

 

 

最後に1つ聞きます!

 

 

 

 

僕の書いた笑い文字

 

気に入ってくれましたか?

 

笑顔を伝えるのが仕事なんて素敵でしょ?

 

もっともっと上手くなるし

 

もっともっと大きくなるよ

 

応援して下さい。

 

 

 

あなたのように

 

グッと内に秘めた

 

心意気って奴

 

俺も大事にしてみるから。

 

 

 

なにせ最近じゃ

 

先生って

 

呼ばれるようになってしまったものだから。。

 

 

 

 

これから出会う人達に

 

僕が刻んできたモノ、、、

 

少しずつ伝えていくよ。。。

 

 

 

 

ありがとう

 

 

 

こんなに語ったのに

 

いつも最後は

 

この言葉しか言えない。。。