欠点豆についての検証その3 | 福西珈琲研究室

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マンデリン→イルガチェフェ(オーガニック生豆)と、欠点豆の検証をしてきましたが、続いては

グアテマラ ウエウエテナンゴ オーガニック&フェアトレード 生豆

の豆の欠点豆を、中煎り(シティロースト)で焙煎して飲み比べてみようと思います。

 

最初に言っておきますが、うちで取り扱っている豆はすべて、スペシャルティコーヒーというランク以上の豆です。

 

そのランクの豆でもハンドピックをすると、1~3割程度の欠点豆が出てきます。

 

中でも、私が仕入れているグアテマラは欠点豆が多く、生豆を1キロ仕入れると、300gの欠点豆が出てきます。

今回、この欠点豆を再度ハンドピックして、

①カビ、虫食い、未成熟、コッコ、死豆など、本当にダメな豆

②貝殻豆、割れ豆など焼きムラはできるだろうけど、味に直接ダメージを与えないんじゃないかと思われる 救出豆

③欠点豆の中でもこればっかりを集めて焙煎すると普通の豆より美味しくなると言われているピーベリ

 

の3点を同じ焙煎度合い(中煎り)で焙煎して飲み比べていきます。

 

まずは、3者の生豆をご覧ください。

①・・・やばいですよねー。こんな豆が普通の豆に3割ほど混じって納品されてきます。

スペシャルティですよ。

 

スペシャルティではなく、普通に流通している豆はどうなんだろうと思ってしまいますね。

 

ただ、うちで取り扱っている豆の中では、マンデリンや、エルサルバドルはこういう気持ち悪くなるようなカビ豆がほとんどない豆もあり、農園、ウォッシングステーションで、いかに手をかけているかの違いもあるんじゃないかと思います。

 

大きい焙煎機で焙煎している所は、こういう豆をハンドピックせずに焙煎されている所も多いと思います。

 

うちは、小ロットなので、こういう豆をきっちりピックすることで美味しいコーヒーを焼くことができるんだ!と自負していましたが、ハンドピックをやりすぎることで、逆にその国や地域の特徴を消してしまっているんじゃないかということに気づいてしまい、

3回にわたって欠点豆を焙煎して、飲み比べて味の違いを検証しています。

 

今までの2回は、比較的欠点豆が少なかったことと、結構深煎りで焙煎していたこともあり、抽出の仕方によっては欠点豆の方が特徴が出て美味しいんじゃないかという結論にまで至っていましたが、

今回のグアテマラ。

①の完全にダメな欠点豆、見るのも気持ち悪く焙煎もつらかったですが、だんだんカビも目立たなくなり、

いたって普通のコーヒーっぽい感じに焼きあがりました。

まあ、よく見ると焼きムラが激しかったり、虫食いの穴が開いてたりしますが、たぶんこんがり深煎りにすると全く気付かないレベルになると思います。

続いて②の救出豆

こちらは、割れ豆などが入っているので見た目はあんまりよくないですね。

でも、①に比べると、焼きムラも少なく、香りも良く、美味しく飲めそうな気配がします。

 

最後に③のピーベリ

綺麗ですねー。焼きムラも一切なく香りも良くとても美味しそうです。

 

焙煎した豆の見た目と香りの違い

同じ焙煎度合いで焙煎しましたが、完全にダメな欠点豆と他の2つで香りの広がり方が全然違いました。

①の豆は、大豆(きな粉)のような香りがします。

②、③の豆は香ばしさとチョコレートのような甘い香りが広がります。

 

飲みくらーべ

これらの豆をエスプレッソ抽出でカフェラテにしたものと、ドリップしたもので飲み比べます。

前回検証した深煎り豆に比ると、ダメな豆とそうでない豆の違いが明確でした。

①カビ、虫食い、未成熟、コッコ、死豆など、本当にダメな豆

発酵臭というか、モヤモヤーっとした不快な味が口に広がりました。香りも全然広がってこないので、粉の状態でもダメな豆だとわかるレベルでした。

 

②貝殻豆、割れ豆など焼きムラはできるだろうけど、味に直接ダメージを与えないんじゃないかと思われる 救出豆

割れ豆、欠けた豆など小さい豆が焼きムラを起こしているのか苦味、酸味などいろんな味がしました。トゲトゲしているけど、個性的な印象。

 

③欠点豆の中でもこればっかりを集めて焙煎すると普通の豆より美味しくなると言われているピーベリ

優しく、何の引っ掛かりもなくすーーーーっと入ってくるのでとても飲みやすかったです。

飲みやすかったですが、印象が薄いと言われると否定できない印象でした。

 

ドリップで抽出すると③が一番飲みやすいけど、エスプレッソ抽出でカフェラテにすると、②が美味しかったです。

 

今回分かったこと

ハンドピックすると、見栄えもいいですし、スッキリ飲みやすいコーヒーになります。

ただ、スッキリしすぎるというか、面白くないコーヒーになっていたというのが、今回の検証でわかりました。

 

少しぐらい割れ豆やサイズの小さい欠点豆があって焼きムラが出たほうが、味の幅が広がり奥行きのある複雑な味わいが生まれます。

うちで扱っている豆はスペシャルティコーヒーオンリーで、もともとが欠点豆は少ないので、ハンドピックする必要ないという結論に至ったんですが、それでもカビた豆や虫食いの豆は見ていて気持ち悪いし、この豆があるだけで明確に不快な味が広がるので、その豆だけは今後もピックしていこうと思いました。

 

次回仕入れる豆からハンドピックの仕方を変えることで、生豆の単価も下がるので、安く提供できるかなと思います。

いやあ。今まで良かれと思って、何も疑わずにやっていたことが、マイナスに働いていたなんて・・・。

とても良い検証でした。