
今日は前置きのネタがありません

本日は版ができるおおもとの材料「スクリーン 」についてです

まず、材質。
シルクスクリーンの「スクリーン=紗」には、大まかに次の材質のものが有ります。
1.シルク(絹)
2.ステンレス
3.ナイロン
4.テトロン
1は最近はほとんど見当たらなくなりました。これがシルクスクリーン印刷の命名のもととなったのですね

ただ、現在でも、グランド原紙(ニス原紙)などを切り抜き、アイロンなどで熱接着している方もいらっしゃると思います。
以前、書きましたが、テトロンのスクリーンメッシュに、熱圧着ラバーシートをアイロンプレスするのは間違いですが、こちらが正当なやり方です

2はプリント基板など、微細で精密な印刷を必要とする場合に使われます。
スクリーンは感光剤を露光した後も、スキージ圧によって微妙に伸縮します。ステンレスメッシュは「ほぼ」伸縮しないので、機械による自動機で印刷すると精度が出せる訳ですね

3のナイロンメッシュは曲面印刷や、被印刷物に微妙な凹凸が在るものに印刷する際に使います。
本来シルクスクリーン印刷は平滑な面にしか印刷ができません

ただ、微かで緩やかな凹凸であればナイロンメッシュの伸縮性能にスキージを追随させれば印刷が可能です。
欠点は、伸縮性があるがゆえにスキージ圧をあまりかけすぎると感光乳剤が塗布されずに、糸がむき出しになっている部分で糸がよれてしまう場合があります。
という訳で、ナイロンメッシュは繊維用の印刷にはあまり使われません。
ちなみにカーブがきつい物になると、それは「パッド印刷」の領域になります。
4.現在主流のメッシュがテトロンメッシュです。
さて、次は紗の「番手」 100メッシュとか120メッシュとか言うあれです

この番手は、1インチの巾に糸が何本入っているかを示していますので、数が多いほど、糸が張っている間隔が狭くなっています。
スクリーンは縦横に張られていますので、当然インクが落ちる部分の四角形の面積に影響してきます。この四角の部分をオープニング(開口部)と言いますが、番手が少ないほど開口部が大きくなる仕組みです。
ただ、微妙な問題ですが、同じ番手でも糸の太さが違う製品がたくさんあります。
1インチにある糸の本数は同じく120本なので、太い糸を使えばオープニングも比例して小さくなります。
じゃぁ、細い糸の方が良いではないか


弊社が主にここでご紹介している「繊維製品へのプリント」で私がお勧めするのは、というかそれ以外はお勧めできませんが

材質は「テトロン」を使いましょう

番手は、
通常は100~120
網点での色分解印刷(プラスチゾルインク使用)は最高200まで
金粉群分は80
ラメやグリッターを使うのなら40にしましょう
という具合です。
段々と年末が近づいてきていますが、次回は
「枠」
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