始められようとする理由は様々ですが、中には「自分でも簡単にできそうだから」とおっしゃる方も多いです。
まぁ、シルクスクリーンプリントに携わる方が増える事は、色々な意味で嬉しい事ではあるのですが

で、です。
ネットで色々な動画を見る事ができて、とっても簡単そうに思えます

うん。簡単です

綿100%のTシャツに真っ黒をプリントしている分には

ネットの動画は情報が不十分なものが多いんです。
例えば、綿100%のTシャツに黒1色は簡単にプリントできても、ポリエステル棍棒の鹿の子のポロシャツに、3色プリントは簡単にはプリントできません。そしてネットの動画の知識だけでは。
こんな事言っちゃうと、インクとかを買ってくれる人が増えるのを、自ら止めている気もしますが

もう一つ言っちゃう

卓上の4カラー1ボードのTシャツプリンターを用意したら、プロの多色の印刷が可能です。そして、プラスチゾルインクをお勧めします。
なんて、無理です。
次の色を印刷する前の乾燥はどうするの?って聞いたらヒーターガンでできる。
それは小さい面積の印刷ならばできるかもしれませんが、大きなプリントでは乾燥ムラができて後々の剥がれになります。よしましょう。趣味としてご自分が着る物を作るのでなければ。
世の中には大きく括って、水性バインダー(水性インク)とプラスチゾルインクの2種類があります。
どちらが優秀でしょ?どちらが作業しやすいでしょう?
こまごま書くと終わらないので、大事なところだけ書きましょう

プラスチゾルインクは、熱乾燥しなければ絶対に固まらないので、プリントしている最中の版詰まりは起きません。
が、概してインクの粘度が高い(固い)ので、スキージの硬度の選び方とスキージングが難しくなります(色々な素材に対すると)。
又、スキージングだけではなく、スクリーン(版)のテンションがピンとはっていなくてはなりません。
で、高価な中間乾燥機や最終乾燥装置が必要になります。
対して、水性バインダーは常温で少しずつ乾燥していくので、版のインクが返しをしなければ、版を詰まらせる事があります。でも、乾燥を遅らせる助剤があります。
インクは柔らかいです。でも、スクリーンのテンションはやっぱりピンと張っているものを使いましょう。
本来は、水性バインダーも中間乾燥機や最終乾燥器が必要です。
どちらのインクを使っても、プリントされたウエアをドライクリーニングやアイロンがけするのは絶対に禁物です。
ちなみに、版の上でのインク返しをしない動画が多すぎる。
ちなみに、版と印刷物の間に隙間を作るのはシルクスクリーンプリントの基本です。
あんまり全部書くときりがないのでこの辺にしておこう

なんかお悩みだったらご相談ください。
綺麗なシルクスクリーンプリントの普及を願ってやみません。
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