
と言っても、以前もやろうとしてやらずにいたんですが

「こんなインクな~い

んで、刷り見本を作っておけば、まずはお客様にすぐに見せられるぢゃないかっ

今回も、そんな含みもあったんですが、どうも腑に落ちない点が一つ・・・・
繊維製品、それも特に水性バインダーを使っていらっしゃる方々に、オフセット(オフコンタクト・クリアランス)いわゆる、版と印刷媒体、この場合は生地とかですね、の間に隙間を空けていないで、べったりと版をくっつけてらっしゃる方が多い・・というか殆どという事。
皆様、シルクスクリーンの書籍とか読んだ事が御座いますでしょうか

いや、別に良いんです。綺麗な印刷が出来上がれば

シルクスクリーンの技法としては、インクが何であれオフコンタクトは取るものとされています。
なぜでしょう

シルクスクリーン印刷ではスキージの動きによって、インクをローリング、すなわちインクの粒子を回転運動させて孔版に落とし込んであげる。そして、スキージが通過すると同時に、紗を生地から引き剥がしてインクを落としてあげる。
図にすると、横から見たらこんな感じになっているんですね。

でかくってすみません

青い線を生地として考えてくださいね。
これを、版を生地にべったりくっつけて、刷った後で版をひょいっと持ち上げると・・・
一見同じように思えますが、やってみて頂くと解ります。
・インクの粘度によってはインクが滲んで柄のエッジが綺麗に出ない。
・1度に落ちるインクの量が減る、すなわち孔に残るインクがある、すなわち版の目詰まりが起き易い
などなど、色々な弊害があります。「お前がへたっぴなだけだろう



色々なお客様に聞いてみました。
そしてインクメーカーにも確認を取ってみました。変な事書いちゃって恥ずかしい事になったら嫌なので

実際に手刷りの回転プリンターにはオフコンタクトを取るための機構が用意されていません。それでなのか、いつの頃やら「べったり」が多くなって来ているようです。
自動機では、オフコンタクトを取るための機構が備わっているので、オフコンタクトを取っている業者様が殆どという事です。あいにく北海道で自動機は数台しか導入されていないので、私は未確認ですが

生地は繊維ですから、少なからずともインクを吸い込みますし、多少の滲みは生地の凹凸感ではっきりとは解らなくなってしまいます。
実際に粘度の極端に低いインクを用意して、紙にでも印刷してみればその滲みは(技量によって違うでしょうけど)解ると思います。
粘度の高いバインダーになればなるほど、にじみずらくなります。ただし、その分、版離れの動作を使えないと落ちるインクの量は減ります。
ここ2~3日。そういった事を自分で体験してみようと思ったので、刷ってみました。
皆さんも、一度版の両側に10円玉を貼り付けてやってみてくださいな。きっと何かの発見があるかもしれない。
プリント初心者の私が刷った時に思ったのは、オフコンタクトを取らないと版の詰まりが早いなぁという事です。
「いいんだよ。ちゃんと綺麗に刷れているんだから」
と言うのも結構ですが、色々知っていて損はないんじゃないかなぁと思う次第でございます。