この表紙がまた秀逸で。
読み終わると、いっそう表紙が感慨深いです。
イラスト調の本もあるようですが
私はだんぜんこちらの表紙が好き。
さて、
平野啓一郎さんの小説の中では
少し前の作品になります。
おそらく、
図書館で借りるとなると奥にしまわれていて
リクエストしないと出てこない。
リクエストして下さい。
平野啓一郎さんの小説について話している人のなかで
このマチネの終わりに、を好きだという人が多い気がする。
マチネの終わりに、で平野啓一郎さんを好きになったとか。
以前にもどこかで触れましたが
この本の序章がとても好きです。
これは、事実を元にかかれていて
平野さんの知り合いのモデルとなる男女がおり、
平野さんは、肯定も否定もせず
よく理解はできないが興味深いというスタンスで、
そんな前書きがあるからか
こんなに複雑な人間関係の話なのに
とてもフラットな気持ちで読めました。
一歩間違うと昼ドラみが出そうなテーマなのに
過度に美化するでもなく
しかしながら爽やかに美しく
さらっとした雰囲気を終始そこなわないという
平野さんの文体が、すごいです。
すごく感動させてくるわけではないのに
私は自分でも「ここで?!」というような
さりげない一節で、2度涙しました。
心地よい涙。
心が動いて、流れて、おわりの涙です。
わたしは夫がおり、
一児の母ですが
このカップル、夫婦、子供、愛情、恋愛‥
さまざまなものが交差する物語を
終始フラットによめて
個人的には意外でした。
ただならぬ恋愛がテーマ、だと思って読み始めたので
もっと、感情移入して
ただならぬ(許せない!とか)感情にとらわれるかなと
覚悟もしていたので。
しかしながら
あまりエネルギーを要さずに読めて
平野さんがすごいのか
私の精神衛生がよろしいのか、
たぶん両方です。
感想いろいろ描きたいけどネタバレになってしまうなぁ。
ネタバレなしで読んだほうが楽しめるやつです。
最後の方はわたしは予想外だったし。
ちょっぴりミステリーみたい。
たくさん男女の登場人物がいるのですが
だれが正解だとか、ないところが好きでした。
みんなが、少しずつ、たくさん踏み外していて
みんなが、少しずつ幸せで、少しずつ不幸で
人間みがある。
ただ、かなりイラク問題が出てくるので
そのへんナイーブに感情移入してしまうひとは
危険かもしれません。
わたしは、誰にも感情移入しませんでした。
そして、それが心地よかった。
恋愛がらみのものは
感情移入すると時に疲れますから。
「ある男」は面白かったですが
「マチネの終わりに」は、
なぜかは不明だがよんでよかったな、と感じた作品でした。
のほほんではないですよ。
ただ、静かな激動の物語という感じ。
そして、これをきっかけに
クラシックギターの世界を知りました。
心地よい音!
私は「ヒカルの碁」で
少々囲碁を打てるようになった子供でしたが
(碁盤も購入)
本やマンガをきっかけに
世界が広がるのも読書の楽しみだなぁとつくづく思います。