【舞台:65年目の恋文(ラブレター)最終幕⑮】 | What aわんだふるワールド

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がむばるベアーズ:マンセル、グラハムくんの奮闘日記。

~夜間中学校の教室~


あめ先生:さて、今日から新学期という事ですが。


この新学期に新入生を迎えました!


既に座っておりますが、一番前のグラハムさんです。


60歳という訳で、先生より2倍以上の年上の生徒ですが。


今日からみなさんと一緒に勉強して行きますよ。

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早速授業が始まった・・・。


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あめ先生:まず授業を始める前に、皆さんに伝えないと


ならない事があります。


何時も学期はじめにするお話ですが、先生達は口がすっぱく


なったって言い続けますよ!
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あめ先生:まず、ここは遊びに来ている場所でも、町内会の


寄り合いでも、お茶飲み友達と逢いに来る場所でもありません。


”義務教育の現場”なんです。


昼間は皆さんの子供達と言っても過言ではないほど、現役の


中学生の生徒達がここを使っております。


くれぐれも、人生の先輩として。恥ずかしくない行動、マナーを


お願いしております。
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あめ先生:飲酒、喫煙、麻雀、競馬の予想・・・全面禁止ですよ。


それと、ちゃんと学校に来てください。


学校に来なかったからといって、13~5歳の子供じゃないので。


家にまで行って呼び寄せるという事はしません。


真剣に学びたい人にはちゃんと勉強の場を提供されています。


夜間中学というものを間違わないようにしてください・・・。
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緊張感に満ちた教室・・・。

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グラハム:うわぁ~~、中学校って凄いところなんだねぇ・・・。


ぼく通えるかしら・・・。


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ヤンキー兄ちゃんの2人組も、真剣に聞いている・・・。

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あめ先生:いいですか!?


出席はみなさん、皆勤賞をめざしてがんばりましょう!


ちゃんと成績に満たない場合は、何年でも留年してもらい


ますからねw。


授業終了後・・・


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不良もしゅもしゅ:チッ!かったりーぜ!


あんな問題分かる訳ねぇ~だろ・・・!


なんだよ、あの分数の足し算ってよぉ~w

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グラハム:割り算なのに割り算同士を+って事になるって事?


あれへんな気分ですよね・・・納得できないっていうか・・・。


思わず、グラハムくんは、一番若そうな彼に声をかけてみた・・・。
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すると・・・


不良もしゅもしゅ:ところで、おっちゃんさw。


何で今更になって中学生なんだよ!?おっちゃんなら、もう


どっかの会社の社長かと思ってよ・・・。


カネさえあれば、勉強なくたってやってけんじゃないの・・・?



グラハム:ぼくはねぇ・・・会社の社長でもなんでもないんだよ。


ぼくはね・・・字が読み書きできないんだ・・・。


だから、この時間とこの後の補修の時間で読み書きも教わって


いてね・・・。それから帰って寝るだけだよ。


君等には信じられないかもしれないけど、昔はね、小学校ですら


通わせてもらえなかったんだよ・・・。


不良もしゅもしゅ:えっ!おっさん、小学校も行ってねぇ~のかよ!


グラハム:そしたらね、ぼくの恩人とか親方がね・・・。


自分の大事な人を守るために、勉強しなさい!って教えてくれたんだよ。


何年かかってでも良いから、中学校を卒業して来い!って。


他人と自分とを比べる為の勉強じゃなくて・・・。


自分と自分の家庭とか、大事な大事な人を守るための勉強をして来い。


って言われてさ・・・。

今まで来られなかった学校へ、やっと来られたんだよ・・・。



話を聞いてじ~~んとしている。


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不良もしゅもしゅ:そっかぁ~~、大事な人を守るための勉強かぁ・・・。


オレさぁ・・・、親がウザくてツッパッてばかりだったから。


まともに中学校も行かないで家出ばっかりしていたからなぁ・・・。


すげぇ良い事聞いたわ・・・。


グラハム:君はまだまだ若いんだから!


何度でも何度でも勉強できる機会があるんだから・・・。


一緒に卒業して、両親を喜ばせてあげな・・・。親は待っている筈だぜ。




それから、グラハムと彼は。

中学生を5年経験して、卒業してゆき。


その後彼は有名企業に就職、会社の重要役員にまで昇り


詰めたそうな・・・。

引き続き、【舞台:65年目の恋文(ラブレター)最終幕⑯】


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