【舞台:65年目の恋文(ラブレター)第3幕⑫】 | What aわんだふるワールド

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がむばるベアーズ:マンセル、グラハムくんの奮闘日記。

グラハムは、難読な漢字を目の前に苦戦していた。


そして、己の半生を恨み、嘆くばかりで一つも前には


進んではいなかった・・・。


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グラハム:お母ちゃ~ん、母ちゃん・・・。


何で死んじゃったんだ・・・。ぼく、学校に行きたかったんだよぉ。



すると・・・。
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母ちゃん:グラハム!グラハム!!


泣くんじゃないの!


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グラハムは、驚いて顔を上げてみた。


するとそこには、亡くなった母ちゃんがやってきた・・・。

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母ちゃん:グラハム、ごめんね。母ちゃんが学校に行かせて


あげられなくて・・・。


母ちゃんは、お前が寂しくないように。もっとがんばって生きた


かったんだけどねぇ・・・ごめんね・・・。母ちゃん、お前だけが


ずっと心配だったんだよ・・・。


グラハム:母ちゃん・・・


母ちゃん:母ちゃんね、お前がちゃんと大人になるまで見届けた


かったわ・・・。お前がちゃんと大事な人を守って、可愛い孫の顔


だって見たかったのよ・・・。それもできないままだったから・・・。


心配で心配で・・・。母ちゃんはそれだけが悔しいの・・・。


グラハム:母ちゃん・・・ぼく・・・これが夢でも何でも良いんだ・・・。


また逢えて嬉しいよ・・・。


母ちゃん:母ちゃんね、小学校にはちゃんと行ったのよ!



そう言うと、グラハムの元に寄り。ペンを取った・・・。
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母ちゃん:さてとっ!どれどれぇ~?


難しい漢字だよねぇ~・・・。これ!!


これはね!鱧(はも)って言うんだよ!分かったかい?


グラハム:お母ちゃん。頭良いんだねぇ・・・。


母ちゃん:頭が良いんじゃないんだよ!


お前に美味しい魚を食べさせる為にね、お魚屋さんの人に


ちゃーんと聞いて教えてもらったんだよ!


こっちは、鮭(さけ)だわね・・・。鮭毎朝食べたの覚えてる・・・?


学校で教えてもらう勉強事なんてね。人生の半分も無いんだよ・・・。


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母ちゃん:ほら!グラハム。ペンを持ちなさい!


そこに、”はも”って。こっちには”さけ”って


書きなさい・・・。

グラハム:”は・・・も・・・”これで”はも”なんだね・・・。


”さ・・・け・・・”だね。


母ちゃん:そーよーw”はも”!”さけ”!できたじゃない・・・。



暗転
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気が付くと・・・。
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母ちゃんはそこにはいなかった・・・。


グラハム:あれ?母ちゃん・・・?


どこへ行ったの・・・?
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おっちゃん:なあ、グラハム!お前、ちゃんと学校へ行け!


今からだって全然遅くは無いぞ・・・。


おっちゃんはな、中学校も行かせてもらえない時代だったから・・・


と言えばそれはそれで仕方がないが。


分からない事の言い訳でしか無い時もある・・・それはそれぞれ


理屈が違うけどな・・・。


でも、お前はもっと勉強しないとな・・・。


別にな、勉強できる奴が勉強できないやつをバカにしたり、


その差を知る事が勉強するっていう意味じゃない。


勉強するっていうのはな、お前にとって大事なお前の家族をこの先


一生守っていく為の必要な手段なんだ!


今からでも遅いって事は無い、学校へ行け!学校へ行って、もっと


もっと腕も知識もある板前になれ!お前ならできる!


信じているぞ!!何年かかっても良いんだ、何度失敗しても良いんだぞ。



それと、前に行っていた小学校から、落としたお金は事情を話して


取り戻してあるから・・・時間ができたら取りにおいで・・・。



そう言い残し、グラハムの中から色々な人達が現れては消えて行った・・・。


それから数日の後、おっちゃんの元へ行き。


あの時をお礼を述べて、落としたお金を無事に取り戻したのだった・・・。




引き続き、【舞台:65年目の恋文(ラブレター)第3幕⑬】

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