~グラハムの自宅にて~
グラハム:ただいまぁ~!
礼華:お帰りなさい~!今日は寒かったわねぇ~。
って、あなた。何を持ってるの?
珍しい事に、自分のダンナが見慣れない書類を持っている
グラハム:礼華さんw!明日からぼくね。
中学生になっちゃうんだよ・・・w。
親方がね、中学校の書類を学校へ行って取って来て
礼華:親方が・・・、親方。<ちょっと涙声・・・
グラハム:昼間にぼくがお店に出て、夜は20時頃から
学校だよ。
礼華:あの親方・・・、あなたが学校へ行く事が働く条件だった
んだものね・・・。仕事もひと段落したから、行けるようになった
のかもね。明日からがんばってね!
グラハム:卒業して来いってさw。
礼華:そりゃそーよw!卒業しなきゃね!
グラハム:礼華さん、中学校ってどんな所なの・・・?
礼華:今からそんな心配してんのwww。
まあ、夜間だから色んな職種の人とかもいるでしょうし。
年齢的にも高いかもね。
というか、グラハムさんが一番年上じゃない?しかも
先生よりもwww。
グラハム、60歳の中学生。
当然最年長の中学生である可能性は高い・・・。
すると、グラハムと礼華の娘2人が、グラハムの誕生日の
サプライズパーティーの準備に来ていた。
それぞれがもう独立し、グラハムパパを驚かそうとカウンターの
ららぁ(左):えっ!?パパ、中学生になるの!?
リーフ(右):パパの誕生日で驚かそうと思って
隠れて準備していたのに!こっちが驚かされちゃった!
礼華:あらら、折角サプライズパーティーしようと思ったら、
二人とも出て来ちゃったわw
グラハム:お前達来てたのかよ。
ららぁ:ママ!それ見せてよ!
駈け寄るふたり。
リーフ:中学生のパパw!明日から厨房なんだねw。
グラハム:何だよ、厨房って・・・?
リーフ:中学生の坊やって事よw。
ららぁ:昼間は厨房で働いて、夜も、厨房なんだねw。
リーフ:おい!中坊!パン買ってこい!なんてねw!
ららぁ:いいなぁ~私もパパと一緒にまた中学生やりたい!
グラハム:お前達はもう、学校行ったんだから良いだろ・・・。
リーフ:わたし、パパに数学教えてあげる!
ららぁ:じゃあ、わたしは社会と理科ね!
グラハム:まさか、娘が家庭教師になる日が来るとは・・・。
リーフ:ららぁが、理科教えられる訳ないじゃん!
いっつも理科2とか、3ばっかりなのにぃ~w!
ららぁ:リーフだって、数学わたしとそんなに変わらないでしょ!?
ららぁ:ママは、家庭科教えてあげればw!
礼華:ママは家庭科教わる方よ、パパの方が料理上手
なんだものw。
ららぁ:お裁縫はパパ下手よw
礼華:そうよねw。あとは、国語教えてあげないとね・・・。
グラハムは、思わぬところで中学生になった訳で。
家庭を持ったグラハムには、娘達という家庭教師もいて。
活きた勉強をする環境は生まれていた・・・。
それは他でもなく、今まで十分苦労してきたささやかな
ご褒美として得た。
幸せな瞬間がやっとやってきたにすぎないのだった。
グラハム:やっべ、明日から勉強いっぱいしないと・・・。
この後1時間後引き続き
【舞台:65年目の恋文(ラブレター)第3幕⑩】
をおたのしみに!