【舞台:65年目の恋文(ラブレター)第1幕②】 | What aわんだふるワールド

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がむばるベアーズ:マンセル、グラハムくんの奮闘日記。

キッチンで調理中の、礼華さん。


とんとんとんとん・・・小気味良いリズムでネギを切っている音が


キッチンとリビングに響いていた・・・。


お味噌汁を作っている最中のようだ・・・。


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礼華:そうだ!ねぇ~あなた!今日のおとめ座の占い!


新聞になんて書いてあるのかしら・・・?


さっき見ようと思ったけど、ネギ刻むのに必死になっちゃって


忘れちゃったわ・・・。


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グラハム:はぁ~!?おとめ座の占い・・・?


それ終わったら自分で見ればいいじゃないか?


礼華:見ようと思ったのに、ついつい忘れちゃったのよ!


ちょっと気になったから今教えてよ!


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グラハムは困ったように、占いのページを開いてはみたものの・・・


グラハム:おとめ座・・・おとめ座・・・どれだ・・・おとめ座・・・?


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礼華:ちょっと、おとめ座がどこか分からないの???


グラハム:困ったなぁ・・・どこだ・・・?おとめ座って・・・。



なかなか答えがないグラハムに、業を煮やしている礼華。


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礼華:ちょっと!そこの右側にあるでしょ!?


しかもそのページは天気予報じゃないの・・・?


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グラハム:あっ!そうだったんだねぇ・・・。


ごめん、どこ見ていたんだろう・・・。


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礼華:だから次のページだから、開いてみてよ!



礼華は、グラハムの行動や言動に不審を抱いている・・・。


その時!
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グラハム:ほら!TVでやっているこっちのでいいんじゃない!?


礼華:あなた・・・TVは毎月の占いであって、正座占いじゃないのよ・・・?


どうしたの?一体・・・!?
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グラハムは、とうとうこの日が来たか・・・と。意を決した!


グラハム:あ、あ、あのぉ~礼華さん・・・。ごめんね・・・、


実はね・・・。


ぼく、字が読めなんだ・・・。


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礼華:えぇ~っ・・・!?字が読めないって・・・どういう事よ・・・?


んじゃぁ・・・今まで新聞取って読んでいたのは・・・?


っていうか、字が読めないって。今まで何があったの・・・?

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実は、今までずっと・・・字が読めるフリをしてきていたグラハム・・・。


彼は、字を読み書きできなかった・・・。


彼はずっとこの事を、結婚してからも奥さんにも下隠しにしていた


衝撃の事実を。遂に始めて打ち明かした瞬間だった・・・。


暗転

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礼華:じゃあ、婚姻届の時は字を書かないとダメじゃないの!?


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~区役所にて~


役所職員:婚姻届の窓口はこちらです。


グラハム:すみませんが、ここに署名したいんだけども・・・。


腱鞘炎起こして書けないので。


今から言うから書いてもらえませんか・・・?



暗転

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礼華:娘の出生届の時には・・・?


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役所職員:出生届ですね・・・?白紙なんですが・・・。


グラハム:右手が腱鞘炎起こしちゃって、字が書けないんだ。


代筆してもらっていいかな・・・?今から言うから・・・。



そう、彼は字が書けなかった。


いや字が書けないというよりも、読みも書きができなかったのだ。


今までその都度代筆してもらっていたのだった・・・。


暗転!
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引き続き、【舞台:65年目の恋文(ラブレター)第1幕③】


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