実況:トウカイテイオー先頭に立った!
2馬身!3馬身!と突き放す!
(ドドドッツ!ドドドッツ!ドドドッツ!)
(ドドドッツ!ドドドッツ!ドドドッツ!)
(ドドドッツ!ドドドッツ!ドドドッツ!)
実況:親子無敗のダービー馬誕生だ!
(ゴール板を過ぎる)
実況:遂にやった!やった!夢をつかんだ!グラハム騎手!
日本ダービー初制覇!
勝ったのは、皇帝の息子!トウカイテイオーだ!
父と同じ、無敗のまま。府中の直線、一人旅!
ウイナーズサークルで、トウカイテイオーを待っていた!
彼女の手招きに招かれるかの如く・・・。
レースが確定し、勝利騎手と、勝利馬、勝利調教師、
勝利馬主、勝利生産者、勝利厩務員とで記念写真。
遂に、このメンバーで、大仕事をやってのけた瞬間だった。
1991年生まれのサラブレットの頂点は、トウカイテイオーの
クリフ:あのボウが、こんなに立派な馬になると思わなかったけど。
本当に牧場の誇りだよ!
ドームズセンター長:鍛えられた馬だったからな・・・。先生も凄いな。
(そして、ジャック夫婦と、マンセル調教師と、グラハム騎手)
ジャック:本当に僕が、ダービーオーナーになったんだな・・・。
こんなに嬉しいものってないな。
礼華:こんなにカメラがあると、緊張しちゃうわw
マンセル:ボウ!僕はお前にここへ連れてきてもらったんだよ。
ありがとう!グラハム騎手、おめでとう!夢が叶ったね!
グラハム騎手:やっと夢を掴んだんだぁ~!
よぉ~し!菊花賞もがむばるじょぉ!無敗のまま三冠獲るじょぉ!
今この瞬間が、永遠であればときっと思うのだろう・・・。
そして・・・その時、事件が起った。
クリフくんは、どうしていいものやら・・・。
ひとりワナワナしてしまうw。
ドームズセンター長とボウは、ゆっくり表彰式以降。
輪なりで歩きながら、疲労を抜いている。
眺めている。
遠くからは、グラハム騎手の勝利騎手インタビューが聞こえてくる。
あめちゃんのインタビューに応える、グラハム騎手。
親しいからこそ、少し他の人より長く話していた。
マンセル調教師:もう、全てはテイオーが自分で選んだ道を
僕等がエスコートするだけです・・・。
(かぽかぽ・・・、てくてく・・・、)
ドームズセンター長が、トウカイテイオーを連れて引き返す
所だった・・・。
ドームズセンター長:強かったなぁ~ボウ!もう、僕等の馬じゃ
なくなってしまったな・・・。嬉しいような寂しいような・・・?
すると・・・。
(テイオーは突然立ち止まった)
(引っ張られて、ドームズセンター長も止まった)
ドームズセンター長:あれ?ボウどうした???
おい、まさか!・・・。
テイオーの表情が曇っていた・・・。そして後ろ脚を振るように、
何かを気にしている・・・。
そこへ、タイミング良くマンセル調教師がやってきた。
マンセル調教師:ドームズセンター長どうしたんだね、
立ち止まったままで・・・。
ドームズセンター長:先生!丁度いい所に。
ボウが急に動かなくなってしまって・・・。
マンセル調教師:何だって!!まさかっ!!!
マンセル調教師は、直ぐに馬体を診た。
マンセル調教師は急いで気にしている脚の具合を確認した。
マンセル調教師:ボウ!ちょっとじっとしていなしゃい!
ちょっとハレがあるな・・・。
マンセル調教師:ゆっくり洗い場へ行きなさい、直ぐに獣医を
呼んで来るから。
ドームズセンター長:まさか・・・脚を・・・。
マンセル調教師:それはわからないが、様子がおかしい。
マンセル調教師は慌てて獣医の元へ急いだ・・・。
そして、レントゲンで検査したところ、左後ろ脚に
骨折が認められ・・・。
骨折した状態は重く。トウカイテイオーの菊花賞への出走は、
断念せざるを得なくなった。
無敗の親子三冠の夢がこの瞬間に、終えてしまった・・・。
マンセル調教師:すまないな・・・。ボウ!すまない・・・涙;
脚のギプスは、邪魔にならないか?
マンセル調教師は、テイオーに謝りどおしだった・・・。
ドームズセンター長:大丈夫だ!絶対に治してもどって
来ような!絶対に戻ろうな!
僕等の夢は、まだ終わってない!
こうして、この先。
トウカイテイオーの長いトンネルは、今入口に立ったに
過ぎません。
この先の生涯を決めるような、辛くて長い道のりはまだ
始まったばかりです。
しかし、彼に携わる人々は、諦める事はしなかったのです。
マンセル調教師:あめちゃん、実はね・・・。
トウカイテイオーが骨折して、菊花賞出られそうにないんだよ・・・。
あめちゃん:先生!そんな大事なこと。さらっと言わないでください。
トウカイテイオー骨折!菊花賞へ出走断念!
のニュースが、競馬界ならず。日本中を驚かせる事になった・・・。
引き続き、舞台:この星を継ぐ者へ!:第3幕①をご覧ください。
第2幕のコメントはこちらへお願いいたします。
(物語はあくまでフィクションです。実際の登場人物、
団体とは、一切関係ありません。)