栗東に戻って来た、トウカイテイオーの調教は
徐々にピッチを上げてゆく、マンセル調教師は、ぶっつけで有馬記念
出走を決めた。
しかし、勝てるかまでは自信が持てないままだったが・・・。
1年間どこも走っていない馬だが、ファンの後押しで出走が叶うかも
ドームズセンター長:先生、もしかしたら、休む前より動きが
良い様に見えますね?
マンセル調教師:うん、もしかしてもしかするかもな・・・。
でもだ、ドームズさん!あなたの御助力は大したものです!
よくぞここまで戻してくれました・・・。
有馬記念出走前夜・・・
ドームズセンター長:ごめんな。起こしちゃったな・・・
トウカイテイオーは、人前では決して寝ない事で有名である。
ドームズセンター長:明日、レースだな・・・。思う存分楽しんで来い!
中山の馬場までまた連れて行くからな・・・。
怪我だけはしないでくれ・・・、それだけだぁ。
ドームズセンター長:お休み、ボウ!明日がんばろうな!
ゆっくり去って行くを見て、ボウは静かに眠りについた・・・。
そして、運命の有馬記念のパドック
運命の中山競馬場のパドックに・・・
マンセル調教師は、トウカイテイオーと舞い降りてきた・・・。
マンセル調教師:きっと、これが最後のレースになるかもしれない・・・。
今だけは絶対に悔いだけは残したくない・・・。
この空の向うで、運命の女神も見ているから・・・。
運命の女神は、モニター越しに中山競馬場を見つめている。
大丈夫☆きっと勝てるよ!
マンセル調教師が、グラハム騎手とトウカイテイオーと
ドームズセンター長を集めて、最後の作戦を伝授した・・・。
チームトウカイテイオー、全員の気持ちは一つになった!
グラハム騎手:ふむふむ・・・!
トウカイテイオーが、騎手を騎乗して周回を開始した。
満員のパドックには、1年ぶりに戻って来た
トウカイテイオーを見たさにファンが殺到していた。
既に騎乗した、グラハム騎手。トウカイテイオーは、
騎乗命令の後。気合いが一段と入った。
(てくてく・・・カポカポ・・・テクテク・・・かぽかぽ・・・)
すると、あの一団が見えてきた。
ボビーと仲間たち・・・。
ボビーは思わず声を飛ばした!
ボビー:トウカイテイオーがんばって!
グラハム騎手には聞こえている。しかし、答える事はできない。
しかし、気持ちはファンも騎手も同じなんだと、改めて気が付く・・・。
この後は、本馬場入場だね!
おかえり、トウカイテイオー・・・
場内アナウンス:お待たせしました、1年ぶりにターフに戻ってきました。
ドームズセンター長:そろそろ下ろしますよ!
グラハム騎手:いつでもどうぞ・・・。
ハミリングからロープをスルスルと外し、トウカイテイオーは
グラハム騎手:行けるぞ!テイオー!
本当はそう叫びたかった!グラハム騎手にはこの時既に
勝利を確信していたらしい・・・。後日談より。
ドームズセンター長:ボウ!思いっきり楽しんで来い!
(ドドドッ!ドドドッ!ドドドッ!)
364日ぶりのターフを、トウカイテイオーは懐かしむように・・・。
久々のターフを楽しむように、駈けだした。
同じように、予想の神。故、大川慶次郎さんも同様に。
まるで馬がターフへ放たれて、嬉しがっていると話してもいる・・・。
そんな嬉々としたこの姿は、この後死闘を演じるかもしれない馬とは
思えないような雰囲気を、今日まで見守ってくれた人々全てへの
ドームズセンター長は、彼等の走りを見つめている・・・。
ボウ!ちゃんと帰ってくるんだぞ・・・。
(ドドドッ!ドドドッ!ドドドッ!)
(ドドドッ!ドドドッ!ドドドッ!)
嬉しそうに駈けだす、ボウの後ろ姿をみて。
今までの苦労を思い出し、もう、涙で彼等の姿が滲んでいた・・・。
そして、運命のゲートがまもなく開く!
引き続き、舞台:この星を継ぐ者へ!:第4幕④をご覧ください。