舞台:この星を継ぐ者へ!:第5幕①  | What aわんだふるワールド

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がむばるベアーズ:マンセル、グラハムくんの奮闘日記。

あの奇跡の復活で終わった、第38回有馬記念。


トウカイテイオーはその年の特別賞を受賞し、ファンの誰もが


トウカイテイオーの物語は、ここで終わったように思えるが、



しかし・・・。


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(有馬記念の口取り式より)


彼の物語は、まだ終わってはいなかった・・・。



翌年、1994年も現役を続行していた。


有馬記念の後・・・。


1994年最初のレースに、一昨年勝った

産経大阪杯への出走を目指してたが・・・。


筋肉痛を発症してしまい、このレースを回避。

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(再びリハビリに励む、トウカイテイオーとドームズセンター長)



更にその半年後・・・。


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前回と同じ故障の患部である、左前トウ骨を再び骨折し


4回目の休養を余儀なくされる・・・。


有馬記念の奇跡の復活の勝利の後も、トウカイテイオーは


それでも、何度も何度も故障に見舞われていた・・・。


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また再び長い、長いリハビリ の日々が続いていた・・・。



そして、怪我も癒え。


天皇賞・秋を目指して、出走前の最終テストが行われた・・・。


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この最終テスト如何によっては・・・。



運命のテストが開始された、今度も女神はほほ笑むのか・・・?



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(ドドトン、ドドトン!ドドトン!・・・)


最終テストは、関係者を一同に会して行われた。


あめちゃんも、マスコミの密着取材の為に訪れていた。



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(ドドトン、ドドトン!ドドトン!・・・)


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(ドドトン、ドドトン!ドドトン!・・・)


ドームズセンター長には、分かっていた・・・。


今のテイオーの走りが、有馬記念の時より、ダービーの時程


の力がなくなってきているのを感じとっていた・・・。


もちろん、マンセル調教師にもそれが分かっていた。


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(ドドトン、ドドトン!ドドトン!・・・)


マンセル調教師:・・・・・・。


全員の前を通過する、テイオーとドームズセンター長。
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(ドドトン、ドドトン!ドドトン!・・・)


ドームズセンター長:ボウ!がんばれ!ここでがんばらないと・・・。


ここでがんばらないと、止められてしまう・・・!


渾身の力を込めて関係者の目の前を、全力で駆け抜けた・・・。
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(ドドトン、ドドトン!ドドトン!・・・)


クリフ:ボウ・・・元気ないなぁ~・・・。


礼華:今日は元気がないですねぇ。


ジャック馬主:走り方が軽いなぁ~・・・。


先生、どうお見立てしておりますか?


ジャック馬主にも、テイオーの違和感を感じていた。
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そして、静かにマンセル調教師は口を開いた。


マンセル調教師:ジャックさん、次の周にここへ来たら


調教を止めますよ。


トウカイテイオーには、ボウには・・・。



ボウの星を・・・、次なる者に授ける仕事だって大事なんです・・・。



事実上、引退を決めた瞬間だった・・・。



ジャック馬主:そうですね・・・。ボウも、ドームズさんも、


ずぅ~っと、がんばり通しでしたからね・・・。


もう、ゆっくりさせてあげないとなりませんね・・・。


トウカイテイオーがまた戻ってきた・・・。
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ドームズセンター長:ボウ!がんばれ!がんばるんだ!


ここで止められたら・・・。


既に涙でいっぱいだった・・・。前が霞んでいた・・・。
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マンセル調教師が、柵を乗り越えた。


マンセル調教師:よっこらしょっと・・・!おっとっと・・。


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蹄跡の前で、マンセル調教師が両手を広げて立ちはだかった!


それを見てドームズセンター長は、遂にこの時が来たと悟った・・・。


トウカイテイオーの手綱を絞り、減速し始めた。


ドームズセンター長:やっぱり・・・ダメなのか・・・(涙;)
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(ゆっくり、トウカイテイオーがやってきた)


マンセル調教師:ボウ!ドームズセンター長!


本当にお疲れ様でした・・・。もう、辞めましょう・・・。


マンセル調教師も、声が涙で震えていた・・・。


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(ドームズセンター長が、下馬した)


マンセル調教師:ボウ!お疲れ様・・・。もういいんだ!


もういいんだよ、そんなに走らなくても・・・。


辛かったろ・・・痛かったろ・・・。でも、楽しかったろ・・・。


嬉しかったかい・・・?
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マンセル調教師が、優しくトウカイテイオーの鼻面をなでる。


そして、抱きしめた。


マンセル調教師:ボウ!もう思い切り走らなくていいだよぉ。


でもね、ボウ!ボウには次の仕事だって大事なんだよ・・・。
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マンセル調教師:ボウ!いいかい!?


このボウのこの流星!<馬の眉間から鼻までの白いラインを


流星と言います。



この流星を継ぐ者を、この星を継ぐ者をお前と一緒に


これからは、見いださないとならないんだよ!



わかるかい!?わかってくれるかな??


ドームズセンター長!毎日、本当にお疲れ様でした!


あなたがいてくれたから、ボウと、私達はここまでで来れたのです・・・。



ドームズセンター長は、人目もはばからず号泣した。


その景色を、全員でみつめて。一緒に泣いていた・・・
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遂に引退の時を迎えた。


ボウの、トウカイテイオーの血を、その炎のような


強い意志を持った、次なるこの星を継ぐ者を


また導かなければならない・・・。


今、ここに集う人々の気持ちも、思いも全て


次に続く者へ伝えるべきなのだと、改めて実感していた。
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そして、この思いを多くの人々に伝えねば!


あめちゃんは、涙を流しながら強くペンを握りしめ


思っていた。


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そして、ボウ。いや、トウカイテイオーと、ドームズセンター長と、


マンセル調教師と、彼等を支えた全ての人々の・・・、


長く険しい苦悩の日々と、眩しくも輝かしいこの歴史と、


日本中に強烈な感動を残して・・・。



巨大で儚いこの一等星は、ターフに別れを告げた・・・。



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運命の女神:お疲れさまっ!よくがんばったね。


北海道へ行っても元気でねっ!


トウカイテイオー:うんうん・・・☆




引き続き、舞台:この星を継ぐ者へ!:第5幕②をご覧ください。