舞台:この星を継ぐ者へ!:第3幕③  | What aわんだふるワールド

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がむばるベアーズ:マンセル、グラハムくんの奮闘日記。

トウカイテイオーは、持って生まれた筋肉質の馬体故。

全速力で走る事で、骨と筋肉を繋ぐ腱が、骨から剥がれて

しまう骨折。”剥離骨折”を起こしてしまっていた。

それは、彼自身の強さでもある、掻きこむ前脚は振り上げが高く。

そして力強く地面を叩きつける走法とそのストライドは、

自分の肉体へダメージを与えてしまう・・・。まさに、諸刃の剣でもあった。
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だが、再びターフに戻るには。そう簡単にはいかないもの・・・。

競走馬としての競争能力には問題は無かったものの、何時また起きるとも

知れない剥離骨折。

強靭な精神力に、肉体が追いつかないという現状には、何一つ

変わりはなかった。



ギプスを外し、いきなり走る事はできない。やはり、ゆっくりゆっくり

と歩く事で、剥離した箇所の修復治療がなされていた。

毎日毎日、トウカイテイオーとドームズセンター長の散歩は続く。
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(かぽかぽ・・・てくてく・・・)


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(かぽかぽ・・・てくてく・・・)

ドームズセンター長:なぁ~ボウ!もう痛くないか?

今日は暑いから少し休みながら歩こうや・・・。
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(かぽかぽ・・・てくてく・・・)

ドームズセンター長:みろ!野ウサギが逃げて行ったぞぉ。

いつ終わるともない、長い長いリハビリ・・・。

北海道の夏も決して甘くは無い。しかし、二人は寄り添うように、

毎日毎日育成センターの野山を、歩き続けていた・・・。



その時、馬主ジャック夫婦と、マンセル調教師は・・・。

重苦しい空気の中、ジャックが口火を切った。

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ジャック馬主:今度の、天皇賞・秋に。テイオーを出走させようと思う。

礼華さんは、驚いていた。

礼華:もう、怪我の具合は良くなったの?

ボウにまた怪我でも起きたら、どうなさるおつもりなの!?

ジャック:もうすぐ、先生が来てくださって。状況を説明してくださる。

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ジャック:ねぇ、聞いてくれ!馬主となったからには、日本ダービーは

何より欲しかったものだ・・・。もちろん、ボウにとっても最高の栄誉だ!

だが、この国においてもう一つの最高の栄誉は!

天皇賞だ!

この2つさえあれば、ボウの血を後世まで残す為の、

最高の願いなんだ。

礼華:でも、ボウは傷だらけじゃないの・・・それでも走らせるの!?

ピンポーン!ドアベルが鳴った。

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礼華:あっ!先生がお見えになられたのかしら?

マンセル調教師:お邪魔します。

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ジャック:先生、お忙しい時にようこそおいで下さりました。

部屋へ招かれる、マンセル調教師。

表情は強張っている・・・。
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礼華:お茶をお持ちしますわ。どうぞこちらへ。

紅茶がよろしいですか?

マンセル調教師:いえいえ、お構いなく・・・。
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礼華さんが、すっとベンチを譲り。

礼華:男同士話す事もあるでしょうから・・・!

と、礼華さんの冷やかな空気を感じつつ、席に着く事にした。
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マンセル調教師:電話で聞いた時には驚きましたよ。

ジャック:本当にすみません・・・。どうしても!どうしても!ボウには・・・。

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ジャックは、マンセル調教師へ。深々と頭を下げた。

マンセル調教師:ジャックさん、頭を上げてください。分かりましたから。

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そこへ、礼華さんが戻ってきた。

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礼華:先生、家の人に言ってやってください。

ボウの怪我はどうなのですか?もう、無理はさせたくないのもある

んですけど・・・。

もちろん、礼華さんも馬を思っての事・・・。痛いほど分かる。

だが・・・。
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マンセル調教師:奥さん、それは凄くよく分かるんです。

僕等も、ボウを傷つけたくて、傷つけようとしている訳ではないんです。

ジャックさんや、私、ドームズセンター長もそうだし、生産者のクリフさんも

そうなんですが。

まだ夢を諦めたくなんです!あの馬の力はこんなもんじゃない!

それをただ信じているんですよ。

ボウは、ボウの力は、ここからなんですよ!

礼華:先生が大丈夫と判断されたのならば!私もその夢に参加させてもらい

ますよ!いいですか?

マンセル調教師:もちろんじゃないですか!


そして、天皇賞・秋へ向けて、トウカイテイオーは調整を開始。

再び彼は、ターフへ戻ってきた・・・。

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しかし、マンセル調教師は予め告げていた・・・。

今回の天皇賞・秋は、急仕上げ。その次の、ジャパンカップが狙い目かもと・・・。


そして、運命のゲートが開いた!


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引き続き、舞台:この星を継ぐ者へ:第3幕④をご覧ください。</