≪第三幕後半からの続き≫
アメリカへ向けて船に乗り込んだ、裕子さんとボビー。
その途中で見る沈没現場海域を、二人はどんな気持ち
で見つめていたのだろうか・・・。
裕子:「あなた・・・、今迎えに行きますよ・・・」。
ボビー:「外は寒いねぇ」。
ボビーにはよく分からないが、裕子お母さんとの
二人旅は。何故だかウキウキしていた。
警察署は・・・、どこかしら?
ジャック記者から聞いた住所だと・・・、
この辺りなんですけど・・・。
ボビー:「すんごい人の数だねぇ、お母さん」。
裕子:「そうねぇ、ボビー。車に気を付けなさいね、
お母さんと手をつないで離れないように」。
慣れないニューヨークを二人は歩いて探した。
マクレイン警官(二役):「どうも、連絡を頂いた裕子さん
ですね?」。
裕子:「はいぃ。御連絡を差し上げました裕子でしゅぅ」。
ボビー:「ぼくは、ボビーだぉ」。
マクレイン警官:「はじめまして、ボビーくん。ようこそ
ニューヨークへ。じゃないですね気分としては」。
マクレイン警官:「ジャック記者は、私の兄なんですよ。
今回の漂着物の身元が分からないので、兄にも協力
してもらって新聞に載せて情報を募った訳ですよ」。
裕子:「そうだったのですか」。
マクレイン警官:「1週間前に東海岸に漂着した時に、
通りかかった兄妹が見つけて届けてくれたのですよ」。
「こちらです。ご確認を願います」。
マクレイン警官:「こちらがかばんですね」。
「Tシャツ、ズボン、蝶ネクタイ、たばこ、
そして、ボビーは見つけた!
「それ!ぼくのだぁ」
≪第四幕後半へつづく≫