重度の拒食症の現状 | メルボルン ベビーシッター&子育て奮闘記

メルボルン ベビーシッター&子育て奮闘記

オーストラリア メルボルンにて、2009年2月生まれの娘ローズと、2013年8月生まれの息子ディー君の子育てに励む日々。

メルボルンでベビーシッターサービスを提供しています。

(ごめんなさい、めちゃくちゃ暗いです。

摂食障害、拒食症に関心のない方はスルーしてください!)

 

 

娘はこれまで、25回ほどの入院を繰り返していますが、

どれだけ入院しても、病状はまったく良くなりませんでした。

病院でできるのは、死なないように鼻からチューブで栄養を流し込むことのみ。

本人に食べる気がゼロなので、それ以上はお医者さんも、何もできません。

 

摂食障害の体験談をあちこちで読んでも、

入院中はがんばって食べた、病院食は完食していた、など、

わたしからしたら夢のような話で、

入院中もまったく何も食べないという患者の話はほとんど聞きません。

 

入院中、食事は1日6回出てきますが、良くて泣き叫び、時には看護師に暴力をふるったりもして、

娘は絶対に、一口も食べません。水さえ飲みません。

結局、その食事は下げられ、

3人の警備員と2人のナースが来て、娘の手足をベッドに縛り付け、鼻から胃までチューブを入れます。

(このチューブも、自分で抜いてしまうので、他の患者のように入れたままにはできません。毎回、手足を縛ってから、新しく挿入しなくてはなりません。。。)

そしてカロリーの高い液体食を流しいれるのですが、娘の喚き声が病院中に響き渡ります。

 

なるべく音を遮断するように、娘の食事時は病棟の入り口のドアも閉められますが

それでも階下まで聞こえます。

本当に、他の患者の方々にすみませんと肩身が狭い思いです。

 

終わっても、胃に食べ物を入れられたという恐怖と自己嫌悪で娘は獣のように泣きわめき、

そのあと2時間程度、拘束を解くことはできません。

自分を傷つけたり、病院から脱走しようとしたりするのは日常茶飯事、

なので、本人と周りの安全のため、ある程度落ち着くまで拘束は解けないのです。

そして食事時間を含めると、1回の食事で2、3時間近くは手足をベッドに縛られている状態です。

それが1日4回ですから、約10時間以上縛られています。

時には、鎮静剤を注射しなくては拘束を解けないこともあります。

 

前までチューブ食も6回だったのですが、もう人間の尊厳がゼロの状態になるので、

数か月前から4回に減らされ、1回分の量を増やすことになりました。

それでも、食事以外の時間というのはほとんどなく、

娘は眠るか叫ぶしかしないまま、シャワーも浴びず、歯も磨かず

(1か月以上の入院でも、1度も歯も磨かずでした。。。)

本当に、魂が抜けた廃人のような状態で、入院生活を送ります。

 

でも、生命の危機なので、病院は、本人の人権や訴えを無視して、治療することができます。

でも、精神科医が下すmental health orderは4週間経つと見直さなくてはならず、

弁護士や裁判所を交えたミーティングが行われるため、病院としてはいつも、ギリギリその前に娘を退院させたい感じです。

ある程度入院して、今日明日死ぬかもしれないという状態を脱すると、病院側は強制治療はできません。

食事はおろか、どんな治療もカウンセリングももちろん一切拒否なので、

良くなりたいと思っていない患者に、手足を縛って無理やり治療をすることはできなくなります。

 

そうやって、家に帰された娘に、何とか水と食べ物を取らせ、毎週検診にも連れていって、

何とか死なさないように日々看病するのは、わたしの仕事です。

(もちろん父親のことは完全拒否、だれも替わることはできません。)

1日も休むことはできません。

 

娘がどんなに入院を嫌がっているかがわかるし、本当に、病院では目を覆いたくなるような状況なので、

できる限り家に置いておきたいのです。

家にいれば、すこしなら、出かけたり、映画をみたり、勉強したり、人間らしい時間を持てます。

病院にいる間は廃人のようですが、家では、楽しいと思える瞬間もあるのです。

でも、水さえ飲まずに人間が生きられるのは、限度があります。

なので、無理やり水分と食べ物を詰め込まないといけないのです。。。

 

でも、毎日毎食何時間もかけても、全力で抵抗する15歳に無理やり水と食べ物を口から流しこむには限界があり、

少しずつ娘の体重は減り、しばらくたつと、娘はまた生命の危機に陥ります。

 

そうすると、娘がどんなに嫌がろうと、入院させないと親のネグレクト扱いとなるので、

大暴れする娘を病院の緊急病棟に連れて行かなくてはなりません。

(私はチャイルドプロテクションからも監視されています。)

 

車で連れて行こうものなら、運転するわたしにつかみかかるし、走る車から飛び降りたこともあるので、

救急車を呼ぶしかありません。そして、救急隊員も手に負えないため、

いつも警察を呼んで、手足を拘束してもらい、やっと救急車にのせます。

そして、約1日救急病棟で待ったあと、またいつもの特別個室に入れられます。

他の患者に超悪影響なので、1年ほど前から、他の摂食障害の患者から引き離されるようになりました。

そして、だいたい2週間~4週間程度の入院で、また死なない程度の体重にもどります。

 

それの繰り返しです。この約2年間、ひたすらその繰り返しです。

 

娘が病院にいる間も、わたしは毎日病院に通っています。ドクターとのミーティングも毎日のようにありますし、

何より、拒食症病棟で一番の厄介者である娘を、病院に任せて見舞わないなんて、

親として無責任すぎるというプレッシャーを感じます。。。

毎食後ナースから電話があり、「今日は何時に来ますか?」と聞かれます。

娘は、病院にいる間誰とも口を利きませんが、唯一わたしとはたまーに話をするので、

なるべく長い時間いてあげたいと、毎日通います。

 

父親のことは一切拒否なので、すべてわたしの仕事です。

 

そして、娘が家にいる間は、本当に、1分も、心の休まることはありません。

一食終わると、もう次の食事のことを考え、わたしが恐怖で胃が痛くなります。

毎日腕を切りつけて、死にたいと叫び続け、

昨日は、あまりにも深く切ったので血が止まらず、検診時にナースにみてもらいました。

 

包丁もハサミもすべて娘から隠していても、なぜか傷が増えていき、

昨日、やっと、2年前に自分で買ったという剃刀の刃を机の奥に隠していたと白状しましたが、

それを取り上げても、まだ他にも隠してあるに違いありません。

 

仕事も、ほとんどできません。

せっかく楽しんでいたチャイルドケアでの仕事も、もう2年間できていません。

シッターに関しては、わたしの空きに柔軟に合わせてくださるお客様に感謝です。。。

でも、思うように働くこともできず、シングルマザーとして、生活はカツカツで、

わたしは自分の時間も皆無です。

 

 

ーーーこんな重度の患者、他にもいるんでしょうか。

どんな体験談や経験者の話を聞いても、本当に、娘ほどひどい話を聞いたことがありません。

 

経験者の話はためになることもありますが、

「無理やり食べさせると信頼関係が崩れるから良くない」とか、

「本人が良くなりたいと思うまで待たないといけない」と言われても、

無理やり食べさせないと死んでしまう子相手に、どうしたらよいのでしょうか。。。

 

拒食、自傷や暴力などは、精神障害や発達障害のお子さんにも見られ、

休む暇なく看病している親御さんの様子をテレビで見たこともあります。

殴られて傷だらけになりながら、何を言っても聞かない子供の世話を懸命にする親御さんの姿を見て、

自分だけじゃない、と思おうとします。

 

でも、私には、まだ覚悟がないんです。

 

障害のあるお子さんを授かった親御さんは、きっと葛藤を経て、知識も得て、その看病の日々を覚悟して、

まわりのサポートも準備して、取り組んでこられたと思います。

 

でも、わたしの娘は、2年前まで、なんの問題もなく(見え)、優しくて、賢くて、人が羨む優等生だったんです。

何なら家の手伝いもしてくれて、弟の面倒もよく見てくれて、わたしは安心しきり、

もう子育てはほぼ終わったとさえ思っていたんです。

 

こんな日々がやってくるなんて、考えてもいなかったんです。

その、落差の激しさも、すごく辛いです。。。

 

離乳食よりももっと薄い食事を、殴られながら、全身で押さえつけて、

スプーンで一口づつ何時間もかけてたべさせないといけないなんて、

毎日獣のように泣き叫び、近所からの苦情も絶えず、

ただ、飲食という日常の行為のためにわたしのすべての時間と労力が割かれるなんて、

 

それがもうずっとずっと続くなんて、そんな覚悟、できていないんです。

 

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こんな弱気な愚痴ブログで、申し訳ないです。

でも、本当に、娘ほど重度の拒食症の体験談がどこにも見つからず、

もし、同じように、入院しても何をしても水さえ飲めない、自分から一切食事を取れない、

もう1年以上、たったの一口も物を一切食べられない、

そんな状態の方がいらっしゃれば、

少なくとも、一人じゃないと思える気がして、、、

現状をシェアしてみようと思いました。

 

わたしが今まで見聞きした情報だと、娘と同じような病状の患者は、たいてい死に至っているのです。

自殺だったり、心不全だったり。。。

回復された方は、病状が、娘ほど酷くなかった方ばかりなんです。。。

(だから辛くなかったとは全く思っていません。比べるようなことではないことも分かっています。

誰にとっても、辛すぎる病気です。。。)

 

ここから、本当に良くなれるのか。自分で口を開けて物を食べられるようになるのか。

将来普通の生活が送れるようになるのか、、、

今、藁にもすがるような思いで、インターネットや本やいろんなサポートグループを見聞きしていますが、

わたしからも、一度現状を正直に発信してみようと思いました。

 

本当に、こんな愚痴を聞かせてしまい申し訳ありません。

でも、わたし、結構、限界かもしれないです泣

誰か助けて、、、毎日、心の中でそう叫んでいます。

 

インターネットの力を借りて、こうやって発信することで、何かの情報に、何かのサポートに、つながるといいな、、、