智の手を引いてずんずん先をいく二宮を相葉君と松本が追いかける。
「すみません・・・お邪魔じゃなかったですか?」
遠慮がちに聞く加藤さんに苦笑しつつも、本当にお邪魔だと思っているなら遠慮してくれ・・・とは言えない。
スーツが似合うイケメン実業家は、私服でも爽やかなイケメンで・・・
気になる下腹に力をいれつつ・・・
「いえ・・・大丈夫ですよ」
作り笑いで社交辞令の定型文を返す。
「なんだ、不服そうだな?」
そういってにやりと笑う先輩にため息をつく。
なんで先輩までいるんですか・・・?とはやはり言えない。






少し前に智が持ってきた色鮮やかなチラシ。
有名人もくるみたい!と嬉しそうにしていたけれど・・・
自分も十分に有名人だということに気づいていないのが智らしい。
ここのところお互いに忙しくてゆっくりとふたりで過ごすこともできていなかったから・・・
久しぶりのデート・・・と思っていたんだけれど・・・。
蓋を開けれみれば、なぜか・・・二宮、相葉君に松本・・・
そして・・・加藤さんに・・・岡田先輩まで・・・。
結局はいつものメンバーが勢ぞろいだ。
みんなお世話になったひとたちだから無下にもできないし・・・
智も楽しそうだし・・・。
なにより、今は智とふたりきりよりも気が楽と言うか・・・。
ありがたくもあって・・・。
「おまえ・・・またよけいなことを考えているだろう?」
岡田先輩が俺を覗き込んでふふんと鼻で笑う。
「まったく・・・頭がよすぎるっていうのも厄介だな・・・」
よくわからないことを言い残して、岡田先輩が歩をはやめる。
「翔ちゃん、はぐれないでね!」
振り返った相葉君が俺に向かって手を振る。
「はいはい・・・」
はぐれるって・・・こどもじゃないんだから・・・。
苦笑しつつ智たちのあとを追いかけた。