(16)「波乱の花見」 
 篤姫(宮﨑あおい)の輿(こし)入れの件は、大詰めを迎えていた。
家定(堺雅人)は、本寿院(高畑淳子)の強い勧めにも、話をそらすのみ。
強硬に反対している斉昭(江守徹)を説得するため、斉彬(高橋英樹)は、花見を口実に斉昭を薩摩藩邸に招く。
しかし篤姫は「なぜ攘夷を主張するのか?」「西洋からも学ぶべきものがあるのではないのか?」と、斉昭に議論を挑んでしまう。
篤姫の抗議に、斉昭は激怒する。 


 (17)「予期せぬ縁組み」 
 篤姫(宮﨑あおい)の江戸城への輿(こし)入れが翌年早々と決まり、江戸の薩摩藩邸は華やいだ雰囲気に包まれていた。
そんな折、尚五郎(瑛太)が江戸詰めに選ばれる。しかしその数か月後、尚五郎は「清猷(沢村一樹)の妹・お近(ともさかりえ)と結婚し、小松の家を継ぐように」と、斉彬(高橋英樹)に命じられる。
尚五郎が去った江戸の薩摩藩邸では、輿入れの準備が大詰めを迎えていた。
ある夜、突如、江戸の町を大地震が襲う。 


 (18)「斉彬の密命」 
 薩摩に帰った尚五郎(瑛太)は、斉彬(高橋英樹)の命に従い、お近(ともさかりえ)との結婚を決意する。
江戸ではようやく篤姫(宮﨑あおい)の婚礼の日程が決定。
大奥に移る前夜、斉彬は篤姫に「次期将軍を一橋家の慶喜とするよう、家定(堺雅人)を説得せよ」と命じる。
篤姫は、斉彬が自分を御台所にしようとした最大の理由を初めて知る。
大奥から迎えにきた滝山(稲森いずみ)に従い、ついに篤姫は江戸城へ向かう。


 (19)「大奥入城」 
 婚礼を間近に控え、篤姫(宮﨑あおい)は江戸
城に入る。そして家定(堺雅人)の生母・本寿院(高畑淳子)や大奥の実力者・滝山(稲森いずみ)らと顔を合わせる。
しかし、家定には会えぬままに日々は過ぎ、家定には側室のお志賀(鶴田真由)がいることを知る。
ある日、篤姫は大奥の庭で真剣にかくれんぼをして遊んでいる男を見かける。
しかも、その男は女中たちに「公方(くぼう)様」とよばれていた…。 


 (20)「婚礼の夜」 
 城内でかくれんぼに興じていた家定(堺雅人)の姿を見た篤姫(宮﨑あおい)は、家定の人柄に疑問を抱く。
ついに迎えた婚礼の夜、家定はさっさと寝てしまい、篤姫の家定への不信感は極まる。
しかし幾島(松坂慶子)は、斉彬(高橋英樹)が「家定は暗愚ではないのではないか」と言っていたと明かす。
庭でアヒルを追いかけてはしゃぐ家定を見かけた篤姫は、みずからそのうわさの真偽を確かめようと決意するのだが…。 


 (21)「妻の戦」 
 篤姫(宮﨑あおい)は、家定(堺雅人)に「なぜうつけのふりをしているのか?」と問いただすが、家定は相手にしない。
しかも家定は「みずからの子をもつつもりはない」と明言し、篤姫は激しい衝撃を受ける。篤姫は、側室・お志賀(鶴田真由)を招き、「家定の真の姿についてどう考えているのか?」と問うが、お志賀は「ただ家定のそばにいられれば幸せだ」と答える。篤姫は、お志賀の熱い思いに嫉妬(しっと)をおぼえる。 


 (22)「将軍の秘密」 
 篤姫(宮﨑あおい)は、家定(堺雅人)がうつけのふりをしていると思うものの、確信がもてない。
アメリカは下田条約を締結し、通商条約に向けての布石を打つ。
幕府は次期将軍の決定を急ごうとするが、篤姫が頼りとしていた阿部(草刈正雄)が突然病死する。
困り果てた篤姫は「自分が輿(こし)入れしたのは、慶喜(平岳大)を次期将軍とするためだ」と、家定に告白してしまう。
篤姫のうそ偽りのない言葉に家定も驚くべき事実を…。 


 (23)「器くらべ」 
 篤姫(宮﨑あおい)は、慶喜(平岳大)を跡継ぎにと家定(堺雅人)に願う。
しかし、「会ったこともない者を将軍に推薦するのはおかしい」と家定に諭される。
そこで篤姫は、次期将軍候補の慶喜と慶福(松田翔太)の両方に会うことにする。
まず、大奥に慶喜を招くが、慶喜はとらえどころのない印象。篤姫は次に、慶福と会う。
慶福のりりしい姿に、篤姫は素直に魅了される。
ところが、そのとき慶福が口にした菓子が…。 


 (24)「許すまじ、篤姫」 
 アメリカ総領事ハリス(ブレイク・クロフォード)との会見を控えた家定(堺雅人)は、篤姫(宮﨑あおい)に不安を打ち明ける。
そこで篤姫は、家定が将軍としての威厳を保てるような会見の方法を考える。
さらに、次期将軍候補として自分が推薦している慶喜(平岳大)を同席させることを家定に提案。しかし、それを知った本寿院(高畑淳子)は、とうとう篤姫への怒りを爆発させる。そして会見当日、ハリスは篤姫の妙案に驚く。 


 (25)「母の愛憎」 
 篤姫(宮﨑あおい)が、慶喜を次期将軍にしようと画策していることを知った本寿院(高畑淳子)は、篤姫と家定(堺雅人)の2人を遠ざけようとする。
家定が篤姫と過ごすことを望んでもそれを許さず、お志賀(鶴田真由)が家定の相手をするようにしむける。
篤姫は誤解を解こうと本寿院にじかに掛け合うが、「世継ぎを産む気などないのだろう」と非難されてしまう。篤姫と本寿院の溝は、ますます広がってしまい…。 


 (26)「嵐の建白書」 
 次期将軍をめぐる争いが本格化するなか、紀州の慶福(松田翔太)を推す井伊直弼(中村梅雀)は大奥の本寿院(高畑淳子)と会見し、盟約を結ぶ。斉彬(高橋英樹)から「慶喜を次期将軍にせよ」との密命を帯びて大奥に入った篤姫(宮﨑あおい)は、ますます追い詰められる。
斉彬は幕府に建白書を提出し、将軍継嗣(けいし)におけるみずからの立場を表明するが、この建白書は大奥や幕府内で大きな波紋を呼ぶことになる。 


 (27)「徳川の妻」 
 斉彬(高橋英樹)を裏切ることになろうとも、自分が納得できるまで、慶喜と慶福のどちらにも味方しないと決意した篤姫(宮﨑あおい)。
そんなとき、滝山(稲森いずみ)が井伊(中村梅雀)を大老にするべく嘆願書を持参し、篤姫にも賛同を求める。
幾島(松坂慶子)は篤姫に断固拒否するよう求めるが、篤姫は即答を避ける。
篤姫と幾島の溝はしだいに深いものになっていく。 


 (28)「ふたつの遺言」 
 井伊(中村梅雀)が大老の職に就き、次の将軍は紀州の慶福(松田翔太)と決まった。
家定(堺雅人)は井伊と堀田(辰巳琢郎)に「万一のときは、篤姫(宮﨑あおい)に慶福の後見をさせるように」と伝える。
しかしその直後、家定は発作を起こして倒れる。家定の病は隠され、篤姫や本寿院(高畑淳子)にすら詳しい病状が知らされることはなかった。
そんなとき、薩摩から斉彬(高橋英樹)が亡くなったとの報告が届く。 


 (29)「天璋院篤姫」 
 篤姫(宮﨑あおい)は、周囲の反対を押し切り、お志賀(鶴田真由)と本寿院(高畑淳子)に家定(堺雅人)の死を伝える。
しかし、お志賀には病弱な家定に無理をさせたことを責められ、本寿院には「篤姫が家定を毒殺したのだ」と決めつけられる。
未亡人となった篤姫は、落飾(らくしょく)して天璋院となる。
「次期将軍の後見役を頼む」という家定の遺言を果たすため、天璋院は大老・井伊(中村梅雀)と対面する。 


 (30)「将軍の母」 
 天璋院(宮﨑あおい)は家茂(松田翔太)の後見役となることに希望を見いだす。
一方、大老・井伊(中村梅雀)は、反対派勢力を次々と弾圧し始める。
世にいう「安政の大獄」である。
井伊は天璋院と対面し、政治工作にかかわっていた西郷(小澤征悦)の居場所を問いただす。
また、幾島(松坂慶子)は、将軍後継争いに敗れた責任を負って、大奥を去りたいと天璋院に申し出る。 


 (31)「さらば幾島」 
 井伊(中村梅雀)による一橋派への弾圧の嵐が吹き荒れる中、天璋院(宮﨑あおい)の婚礼のときに母親代わりを務めた村岡(星由里子)にも魔の手が迫る。
天璋院は、幾島(松坂慶子)にあることを命じる。幾島は単身、捕らわれの村岡のもとへ。取り調べの行われる日、村岡は白い衣を身にまとって現れる。
それは天璋院が婚礼の時に着た衣装だった。
見事に役目を果たした幾島は、天璋院に「暇をいただきたい」と告げる。 


 (32)「桜田門外の変」 
 家茂(松田翔太)と天璋院(宮﨑あおい)は、咸臨丸乗組員の勝麟太郎(北大路欣也)と面会する。
勝の飾らぬ人となりは天璋院に鮮やかな印象を残す。
また、天璋院は、井伊(中村梅雀)を問いただすため2人きりで面会する。
「国を守りたい一心で、己の役割を果たしただけ」と語る井伊。その覚悟に深い感銘を受けた天璋院は、これからは井伊ともっと語り合いたいと願う。
しかし、迎えた3月3日、桜田門外で事件が起こる。