あいつらが来ると、人が死ぬ。 

辻村深月、初の本格ホラーミステリ長編!


転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。

背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。

優等生の澪は、クラスになじめない要に気を遣ってこわごわ話しかけ徐々に距離を縮めるものの、唐突に返ってきた要のリアクションは「今日、家に行っていい?」だった――。

この転校生は何かがおかしい。

身の危険を感じた澪は憧れの先輩、神原一太に助けを求めるが――。

学校で、会社で、団地で、身の周りにいるちょっとおかしな人。

みんなの調子を狂わせるような、人の心に悪意を吹き込むような。

それはひょっとしたら「闇ハラ=闇ハラスメント」かもしれない。

「あの一家」が来ると、みんながおかしくなり、人が死ぬ。

だから、闇は「祓わなくては」ならない――。


辻村深月が満を持して解き放つ、本格長編ホラーミステリ!


●辻村 深月:1980年山梨県生まれ。

2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。

11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。

『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『この夏の星を見る』など著書多数。