奇妙院は、高野山の弘道(こうどう)という諸国行脚の旅僧だと偽って定右衛門宅を訪ね、「おはまの亡霊から簪を受け取った」と定右衛門に伝える。簪を見た定右衛門夫婦は、確かにおはまの棺に入れたものだと泣き崩れる。奇妙院は、おはまが「前世の罪により現世では早死にをした。また来世でもこの罪によって苦しまなければならない。ついては大般若経を求めて諸国の霊場に納めてほしい」と言っていたと定右衛門夫婦に伝え、その言葉を信じた定右衛門から百両をせしめる。
奇妙院が栗橋の自宅に戻ると、殺したはずの権太がいた。実は権太はまだ死んでおらず、奇妙院から百両を奪って出て行く。奇妙院は骨折り損のくたびれ儲けで、これで改心をすれば良かったが、ますます悪事に染まり、加持祈祷を口実に人を欺いては金を得ていた。そのため、ついには捕らえられ、江戸小伝馬町の東の大牢に入れられた――。

「講談師神田松之丞 新春連続読み『畔倉重四郎』完全通し公演 2020」
2020年1月4日〜15日
あうるすぽっと[豊島区立舞台芸術交流センター]
企画制作:あうるすぽっと、冬夏株式会社
主催:あうるすぽっと(公益財団法人としま未来文化財団)/豊島区

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https://twitter.com/kanda_bou

撮影・編集:岩淵弘樹
監修:九龍ジョー
制作:冬夏株式会社
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