クラブプリンス アナザーワールド⑤ | れおのエピソード

クラブプリンス アナザーワールド⑤

人は好奇心と畏怖の境目でしばしさ迷う。









神を信仰するが、神を己の認識には捉えられないものと。









知ってはいるが、知ってはいけない。





見てみたいが、見てはいけない。






触れてみたいが、触れてはいけない。











その矛盾という名のルール。










僕は禁をおかす。











僕は声をかけてしまった。










レオ「あ、あの」











マオ「…」










レオ「すいません、いきなり声をかけてしまって」












マオ「スプラッシュ!!マウンテンゴリラぁぁぁぁ!!」












まさに人外。















こんな普通のアプローチに異常な返答…普通なら逃げるだろう…。が、僕はかろうじて踏みとどまる。












レオ「え、あの、いきなり声をかけて悪いとは思いますが、意味がわかりません」
























マオ「エメラルドマウンテンゴリラぁぁぁぁっっ!!」















だめだ会話が成り立たない、こいつは人か?












一瞬の疑念のなか僕は方針を変える。ポケットにあったビスケットを差し出した。













マオ「プルップゥー♪」















なんと!!マオがなついた!!













仲間にしますか?











yes?no?












マオ「我が命、貴君に捧げよう。飛び交う矢の盾となり、大地をも切り裂く剣となる」













え?っていうかコイツ勝手に話し進めやがった!!
僕に選択権ないの?
むしろいきなり中世ヨーロッパの騎士なみの発言!?
なによりyes?no?とかあったのに僕の意思関係ないじゃん。
意味わからん。













マオ「主よ、うろたえるな。民が不安になる。」















え、うそ?こいつ何いってんの?勝手に仲間になったうえに、勝手に右腕なみの発言?しかも民って。時代おかしいよ!?
やっぱり話しかけるべきじゃなかった!?













マオ「主の命が尽きる時が我が命の最後…」



















は!?こいつ!!さらに永遠の忠誠プラス勝手に運命共同体にしやがった!!
あんた誰だよ!?













この物語はフィクションじゃない。











次週へ。