クラブプリンス アナザーワールド④ | れおのエピソード

クラブプリンス アナザーワールド④

誰もがあたりまえのよう、過ぎていくなか、すれ違う人にさほどの興味はないだろう。





そんな僕もすれ違う人にいちいち注意はしない。だけど、アイツは…彼は。






少し冷めた僕の意識を引き寄せた、








コンクリートやネオン。そして多種多様な人種がいるなか、僕の思った1つは黒。








いや、黒より黒い?











夜という時間に生きる僕には陽が落ちた景色は見慣れている。目を閉じた時の暗さもわかる。なのに、その彼が持つ存在感は夜より暗く、黒より黒くみえた、光のない暗闇でより深く、その深さを感じさせた。


白い鳥。黒い薔薇。赤い血。青い空。しばしば色には様々な形容がつくなか、黒より黒い存在。比喩のカテゴリーから外れた人外の色。










黒い?











いや…













純黒。











形容するなら、せめてこの言葉か?












僕は出会ってしまった。












純粋な黒に。











彼の名前はマオ。















ここから始まる物語はフィクションじゃない。
















次週へ。