言葉にならない違和感を抱えて、佇んで来た姿が
手に取るように分かった。
何が、あなたらしさを奪って
何が、あなたを苦しめるのか。
それは、誰かの為のあなたは
本当は、あなた以外でも良かったんじゃないかと
少しずつ、少しずつ気づいてしまったから。
あなたの代わりなんて本当は、いくらでも居て
誰でも良かったんじゃないかと気づいてしまったから。
絶対に、あなたでなきゃいけなかったのなら
そこには、間違えても大丈夫な安心があり
あなたの選ぶ事を応援してくれる温かさがあり
弱さを助け合える場所であったはず。
いつ攻撃されるか分からない場所ではなく
一番に帰って来たくなる場所であったはず。
あなたが出来ない部分に愛おしさすら感じて
守ってくれる場所であったはず。
あなたは気づいてしまった。
誰かの顔色を見て、言うことを聞いて
自分の気持ちを何処かに置いて
そうだね、そうだねと甘やかす事だけが愛情と誤解した母親みたいに、ならざるを得なかったあなたは、とうとう気づいてしまった。
愛されてなんか、居なかったんだと。
使われていただけだったんだと。
ままごとだったんだと。
決して崩れ落ちる事のない愛情でつながっていたとばかり錯覚していた、架空のドラマだったんだと。
だから。
あなたは、本当の自分がもっと分からなくなる前に。
本当に、あなただからという理由で繋がってくれる誰かを見失わないうちに、
ままごとからは手を引いて歩き出してほしい。
自分の足で。
グラスの中で踊る、沢山の氷が
うっかりしている間にみるみる溶けだして
本来の味が分からなくなってしまうドリンクみたいに。
あなたと、あなたの人生が誤魔化されてしまわない様に。
あなただから一緒に居たいと言ってくれる誰かは
あなたの全てを尊敬する。
あなたの一部を軽蔑して嘲笑ったりしない。
下に見たりしない。
だって、あなたの事を守りたいと思ってくれるのだから。
あなたが気づいた現実は、残酷だったけど
気づいたからこそ、次の扉が開いている事を
忘れないでいよう。
ままごとだって、意味が無かった訳じゃない。
気づいたあなたは、もう歩き出している。
氷が全て溶けてしまう前に。