期待に応えられないかもしれないなあ。
そんな貴方の不安そうな顔は、私の心をキュッと縮めた。
誰かの期待に応えるっていう荷物を、その背中一杯に抱えていたら。
貴方が転びそうになった時、咄嗟に手をついて自分を守れないでしょう?
だから降ろしていいの 。
そんなこと言ったってそうしないと生きてこれなかったって貴方は言う。
そうだよね。
わかるよ。
とっても。
あなたのその手が、まだ小さかったころは、何をしたいのか、自分の声がすぐに聞こえてきたのに。
大人になったら、本当は自分は、どうしたいのかなんて分からなくなっちゃったよね。
みんなそうだった。
誰かのために生きるのが一番美しくて正しいって教えられてきたから。
だけどいいんだよ。
その荷物を降ろして自分を抱きしめるために、その両手を使ってもいいんだよ。
そうして心と体を軽くして生きていたら。
どんどん自分が満たされて。
そしたら私は、本当は何をやりたかったのか、どう在りたいのか、それが少しずつ見えてくるよ。
「こうしないといけない」から、「こうしたい」に変わった時。
それが貴方の旅の本当のスタート。
自分の事だけ考えていればいいの?そんな風でいいの?って貴方は聞く。
そうだね、わかるよ、その気持ち。
だけどね、不思議な事に、まず自分のハートが満たされてこそ、貴方の大事な人に、もっと深い愛のバトンを渡していけるんだよ。
それは自己犠牲っていうスパイス無しに溢れた愛だから。
だから結局は、自分自身に耳を澄まして向き合う事が、周りの事も幸せにしてしまう力があるっていうこと。
本当は、どう在りたい?
本当は何がしたい?
自分とのパートナーシップを極めれば極める程に、貴方に最初から備わっていた、あらゆる豊かさが巡りだす。
誰かに期待される人生より、貴方が自分自身に期待する人生を。