その計画とは、五月雨または竹島の方向にフライを加藤が打ち、その球をわざととりにいかずに、

幸助に取りに行かせ、その時に故意にぶつかってなんらかの怪我をさせようというもの。

ちなみに五月雨はファースト、竹島はサードだ。

そして、とうとう試合の日が来た。千川高校の後攻で、5回裏まで0-2で千川高校が優勢だった。

加藤はピッチャーなのだが、投げるたびに肘の痛みが増していき、結構ミス投球をしていた。

そこで6回表、とうとうその時が来た。加藤が打った球が五月雨の方にフライが飛んでいった。

取りに行かない五月雨を見て、幸助は走った。

・・・・・・計画通りだった。幸助は左目の上に大きなあざをつくってしまっていた。

そのまま投球を続けると、たちまちノーアウト満塁になってしまっていた。

・・・・・・といっても、全てフォアボール。そこで、キャッチャーの渋谷が心配して審判にタイムをとった。

ベンチに戻った幸助は、早速氷を入れた巾着をあざのところにあてた。

が、どんどん怪我は酷くなるばかり。この光景を見て、五月雨は「その怪我、治しましょうか」と言って来た。

その時に五月雨が手に持っていたのは・・・なんと小型のナイフだった。

このナイフで怪我の所を切ってしまうというのだ。

幸助は若干恐ろしかったが、一応頼むことにした。

・・・・・・・・・・・・幸助の怪我は一応治った。そこで、投球練習に入った。

・・・・・・しかし、まだ幸助の投球はストレートはなかった。

五月雨が「まだ見えないんですか?」と訊きにくる。「あたりめぇだろ。目つむって投げてんだから。投球練習

だと思わせとくんだよ」と言った。そして、試合再開。ここからの幸助の投球は素晴らしかった。

そこからなんと9回まで全く打者を出さずに完封。

念願の甲子園のキップを手にしたのだ。


第8章  完