サッカー部チームとの試合に負けた後、幸助と渋谷は学校の屋上でチュッパチャップスを食べていた。

ちなみに、幸助と渋谷はチュッパチャップスが好物である。

そこへ、片桐がやってきた。「どうしてそんなに落ち込んでるんですか?」と尋ねてくる。

勿論幸助は「・・・・・・試合に負けたから・・・・・・」と答えた。

すると片桐は、「いいじゃないですか。12点差から1点差まで追い詰めたんですよ。」と、

何故かは分からないが敬語で答えてくる。そこで、幸助が言った。

「絶対勝つっていう約束・・・・・・守れなかった・・・・・・」と。

この瞬間、屋上の雰囲気が暗くなった。この雰囲気を明るくしようとして、片桐はちょっとだけ

話題を変えた。「じゃあ、お二人さんは野球愛好会に入会して頂けるんですね。」と・・・・・・

猛烈に雰囲気が悪くなった。幸助はとうとう頭を抱え込んでしまった。代わりに渋谷が、

「あの・・・実は・・・さっきの試合、俺たちは引退試合だったんだ。医者にドクターストップを宣告

されていて・・・・・・申し訳ないけど、入会することは出来ないんだ・・・・・・ごめんね。」と言った。

すると、流石に片桐も諦めて、「じゃあ、今日はこれで失礼します。今日は本当に有難うございましたっ!」

と、深々と頭を下げてから去っていった。

・・・・・・長い沈黙が続いた。10分ぐらいだろうか。渋谷が未だに頭を抱え込んでいる幸助に、

「じゃあ・・・・・・俺もう帰るわ。じゃあな。」と言って、渋谷も家路に着いた。

幸助はその後間もなく頭を上げて、食べきったチュッパチャップスの棒を屋上から投げ捨ててから家路に

着いた。

次の日の昼食休憩の時間、幸助と渋谷は一緒に食堂でカレーライスの大盛を食べながらニュースを

見ていた。すると、大事件が発生したのを知った。まあ、幸助と渋谷にとっては嬉しい知らせだったが。

なんと、幸助と渋谷にドクターストップを宣告した医者が、実は無免許医だったのだ。

これで、幸助と渋谷は改めて病院に行って確かめることにした。

・・・・・・幸助も渋谷も全くもって異常が無いことが発覚した。これには珍しく幸助も歓喜の声をあげた。

そのまた次の日、幸助と渋谷は野球愛好会の練習場所に行った。片桐を見つけ、報告しに行った。

「おう、片桐。俺達、体に異常は無かったらしいんだ。だから、野球愛好会に入るよ。」と、幸助と渋谷が

ハモって言った。すると片桐は、「え!ホントですか!!じゃあ、宜しくお願いします!!」と、これまた

深々と頭を下げた。

ここから、新しい幸助の人生が始まる・・・


第3章    完