次の日、サッカー部に体験入部して、練習していた幸助は、裏庭で練習らしきことをしている、
野球愛好会の姿を見つけた。何故”らしきこと”なのかというと、とても練習には見えなかったからだ。
キャッチボールでは全然狙いは定まっていないし、バッティングの練習では10球に1つかするかどうか
という感じだ。挙句の果てには練習しないでピザを食ってる奴がいる。
(これじゃあ部活として認められないわけだ・・・)そう思った幸助は、片桐の姿を探した。
しかし、野球愛好会の練習場所に片桐の姿は無かった。
ちょっとがっかりしたその時、サッカー部の顧問の先生に「コラ笹柿!ボケっとしないで練習しろ!」と
怒鳴られて、しぶしぶ練習に戻った。そのころ片桐は、違う場所からサッカー部の練習を見ていた。
(笹柿君、サッカー上手なのかなぁ・・・)と、呟きながら・・・・・・
しかし他のサッカー部の部員も、野球愛好会の練習光景を見て、「ププッ。何してんだあいつら。」
と言って嫌がらせをしに行った。「へっへっへ。お前ら何やってんだ?野球か?しっかし下手だなぁ~。
サッカー部のほうが上手いんじゃねぇの?俺達と試合しねぇ?」とおもいっきり挑発した。
すると野球愛好会のメンバーは、「ああ、いいぜ。その試合、受けて立ってやる。」と言った。
しかし、その唇は若干だが震えていた・・・・・・
結局1週間後に試合を行なうことになった。その間野球愛好会は一生懸命れんしゅうしていたが、
サッカー部は普通にサッカーの練習をしていた。
そして1週間が過ぎた。この試合を新聞に載せるべく、新聞部の渋谷も来ていた。
幸助は肘が悪いと医者に宣告されたため、キャッチャーになった。
そしていよいよプレイボール。野球愛好会の先攻だ。サッカー部チームのピッチャーは、元リトルリーグの
キャプテンだった国崎大介になった。1回表、三者連続三振で完封。1回裏、バッターは幸助。
ピッチャーは1週間前にっピザを食っていた小久保だ。かなりの巨漢だった。
1球目・・・・・・いきなり死球。腕にモロに直撃した。痛みを必死に堪えながら1塁に走る幸助。
その後はフォアボールばかりで押し出しの3点先取。こんな調子で5回裏まで終わり、0-12で
圧倒的にサッカー部チームが優勢になった。しかし、この進行に腹が立ってきた幸助と渋谷は野球愛好会
チームに移ることを決心する。その時幸助は、「笹柿幸助、サッカー部を退部します。」と言い放った。
そこで片桐が見た幸助の入部願書には、希望部活”野球部”と書いてあった。
6回表、バッターは幸助。バットを取ろうとすると、片桐に「お願いします!野球愛好会に勝たせて下さい!」
と言われてバットを差し出された。一瞬かなり心が揺らいだ。「おう。任しとけ。」と言って、バットを受け取り、打席に立った。国崎が投げる球はキャッチャーをやっていて(大したことないな)という風に感じていた。
1球目。内角のボール。2球目。ど真ん中のストレートだ。(よし、チャンスだ!!)
・・・・・・カキーーーーン・・・・・・そして打った打球はレフトスタンドに入った。ソロホームランだ。
そして2番目のバッターは野球愛好会のメンバーの一人、大竹一敏だ。ゴロでぎりぎりセーフ。初ヒットだ。
この調子で満塁になり、次のバッターは渋谷。1球目。・・・・・・カッキーーーーン・・・・・・打球は場外の
満塁ホームランだった。一挙に4点入り、5-12までもちこんだ。6回裏、ピッチャーを笹柿に交代して、
三者連続三振で完封した。7回表、8回表と2回連続で3点ずつ入れて、11-12まで追い詰めた。
9回表。国崎の投げる球は若干スピードアップしていて、小久保がぎりぎりで打てただけでツーアウトに
なってしまった。そこでバッターは幸助。小久保はデブで鈍足なくせに「リー、リー」とか言いながら走る準備
をしている。幸助は「1塁に戻れ!牽制球でアウト取られるぞ。」とアイコンタクトを送ったが、小久保は無視した。1球目。外角のボール。2球目。・・・・・・牽制球だった。案の定鈍足の小久保がセーフになる筈も無く、
アウトをとられてゲームセット。・・・・・・屈辱の敗北だった・・・・・・
第2章 完