笹柿幸助。身長172cm。中学生のころは、渋谷翔と黄金バッテリーを組み、
中学生野球大会全国大会で2年連続で優勝した。
幸助のポジションはピッチャー、渋谷のポジションはキャッチャーだ。言わなくても分かるだろう。
そんな幸助が、肘の痛みを医者に診てもらうと、「ガラスのようにとてももろい。投球はやめなさい」
といわれ、また渋谷は、腰の痛みを同じ医者に訴えると、「腰が悪すぎる。キャッチャーは無理だ」
と、きっぱり言われてしまい、二人とも野球を断念し、あえて野球部の無い千川高校に入学した。
そこで幸助はサッカー部、渋谷は新聞部に入ることを決意した。
入部願書を渡された日の晩、幸助は既に日課となっていた袋とじ破りを雨宮書店にしにいった。
そこを幼馴染みの雨宮ひかるが通りかかり、「破るための道具を落としたわよ。」と言って、
幸助に定規を差し出した。
幸助は「あ・・・おう。」と言って受け取り、袋とじを破ろうとする。と、その時、
「クラーッ!!まぁ~た袋とじを破りに来たのかぁ?」という怒鳴り声が聞こえた。店長の太一だ。
おもいっきり怒鳴られた幸助は、慌てて定規をポケットにしまいこみ、
「いえ、あ・・・いや・・・別に・・・今日は本を買おうと思って・・・」と、必死で嘘をつきごまかそうとする。
すると太一は、「ったく。ほら、さっさと買って行け」と許してくれた。
(ひかるが幼馴染みだからなのかなぁ・・・)と思ってから、本を買って、家に帰った。
次の日、幸助は放課後に校庭を散歩していた。おもいっきり大きな欠伸をし、ふと気付くと
裏庭に来ていた。裏庭に来るのは初めてだった。(何処だここ・・・ん?)
そこに、「野球愛好会」という看板があったのだ。野球が諦めきれない幸助は、ちょっと覗こうとする。
・・・・・・誰も活動はしていなかった。(今日は休みなのかな?まあいいや。)と思って、その場を立ち去ろうと
すると、幸助を呼ぶ声がした。
「あのー・・・入会希望者ですか?」
・・・・・・片桐春華だった。幸助は胃袋がでんぐり返りそうになった。
幸助は、「あ・・・いや、活動しているのかなぁ~って思ったりして。」と言った。
すると片桐は、「活動日は月曜日と金曜日です。」と笑って答えた。
幸助は「あ、そうですか・・・・・・失礼します。」と言ってその場を去った。
その晩、幸助は片桐のことを考えっぱなしで、夜も眠ることができなかった。
これが、幸助の運命の出会いだった・・・・・・
第1章 完