再生因子は、名古屋大学上田実教授（当社サイエンスアドバイザー）が考案者で、幹細胞が分化、複製する際に分泌するタンパク質系の物質、サイトカイン、細胞外マトリクス(ECM)等のオールミックスでオーケストラ効果を発揮します。500種類以上のタンパク質系物質から成るとみられており、未判明の物質も多く含まれていますが、人間の体内で何らかの役割を担っているものばかりです。それぞれの因子は、細胞増殖、細胞保護、抗炎症作用、細胞誘導作用、アポトーシス抑制、繊維化抑制、免疫抑制などの役割を担っていますが、単一因子ではなし得ない組織や臓器の再生を相互作用で成し遂げていると考えられています。
人間の体は、200種類以上の約60兆個の細胞からなりたっています。これらの細胞は基本的に受精卵である１つの細胞が分裂したものです。１つの細胞が母体内で分化、複製を繰り返し人体になり誕生してからも、細胞は分化、複製を定期的に繰り返し、新旧細胞が入れ替わることにより恒常性を維持しています。病気やケガにより、細胞が元気を失い新旧の入れ替わりが滞ったり、老化により新旧の細胞の入れ替わりが穏やかになったりします。再生因子が細胞を元気づけることにより、人体が持っている自然治癒力を引き出し、組織や臓器の再生を促します。「再生因子を使った再生医療」は、細胞移植を伴わない薬物療法で、体にやさしく安全な、次世代の再生医療です。
株式会社ｸｵﾘｰﾒﾝ 代表取締役 山下靖弘
