こんばんは~~
吹田・関大前 古民家サロン「静心庵(せいしんあん)」主宰
・僧侶の淨華 です
今夜は、お盆ということで、お盆にまつわるお話をしてみたいと思います。
「お盆」とは「盂蘭盆(うらぼん)」と言って、言葉の意味としては
「倒懸(とうけん)」と漢訳され、逆さに吊るされたような苦しみを表すものと
されてきました。
お釈迦様の弟子で「神通第一」と言われる「目連」という僧が、
亡くなった自分の母親が「倒懸(とうけん)」の苦しみを受けている姿を見て
なんとか助けようとしたことが、お盆の始まりだとも言われています。
私たちは、つい亡き人を案じます。
「あの世」で苦しんでおられるのではないだろうか・・・
不足はないだろうか・・・
恨みに思って化けて出てこないだろうか・・・
などと考えてしまうことがあるかもしれません💦
世間一般には「あの世」から先祖がかえってくると言われている「お盆」という行事も
そんな心からお膳をお供えするなどして、日本でも盛大に営まれるようになったのでしょう。
もちろん亡き人を想う心は大切です。
しかし、私たちのご先祖さまは、家に帰ってきてご馳走を食べなければならないほど
飢えて苦しんでおられるのでしょうか?
逆さ吊りになっているのは、いったい誰なのでしょう?
自分の立っている大地が動いているのに、太陽や星が回っている
と、信じていた昔の人のように
亡き人が「倒懸(とうけん)」していると思い込んでいるだけだったのではないでしょうか?
コペルニクスがそのことをひっくり返したように、
ほとけさまの教えに出会うと
逆さづりになっていたのは、私の方だったと気付かせて下さるのです。
そして、亡き人の方こそが、そんな私たちを案じて下さっている
という事に気が付くのです。
お盆は、亡き人を通して仏さまの教えを聞くご縁を頂く大切な時なのです。