キャメロット城-物置-
妖精の時代から発掘されたガラクタはその真の使用法を知るものが特定の妖精しかいないため、
魔法遣いマーリンによって解析作業が行われるまでの間はこの物置部屋に保管されている。
ガサゴソ ガサゴソ
そんな倉庫の中で怪しく動く人影が二つ。
「・・・リーフェ?なんかいいお宝あった?」
技巧の場[テクノスミス]アーサーと呼ばれる金髪体育会系女子が半ばふてくされながら問う。
「うーん、武器になるようなものはなーんにも置いてないのよね。こら!しっかりそっちも探しなさい!」
リーフェは手にとっていた熊の人形をアーサーの頭に投げつける。
それを難なく受けとったアーサーはドヤ顔で応える。どうやら人形を持ち帰ることに決めたようだ。
「あたしはこの子でいいやー!リーフェ、後よろしくぅ!」
そそくさと倉庫から逃げ出すアーサー。もともと家事洗濯は面倒くさがる彼女を知ってかリーフェは肩を落としてもの探しを続ける。
-アーサーの寝室-
質素な作りの部屋には寂しさが漂う。フリフリの洋服もなければヒール靴もなく、あるのは化粧台にお手軽メイクセットだ。
この部屋に倉庫で出会った熊の人形が加わった。軍人あがり故にこういったものが好きであるという事実が漏れれば多くの騎士が自分について来ないのではないかと思っていた。
たが、王になってそれは杞憂であった。というのも100万人ものアーサーが聖剣を引き抜いたからだ。
キャメロットの騎士たちはこのアーサーたちの中で1番強く勇敢な信頼のおける王を求めているわけで、どんな性格、趣味、性癖があるかなとど現段階ではいちいち覚えていられないからである。
「はぁ、王様がふるいに掛けられてる国も珍しいよね?」
アーサーはベットに横たわり、クマの人形に問いかけはじめた。
「外敵との闘いのためにブリテンの王になることを目指してるけど、泉の騎士たちの扱いにもさっぱりだし、特に・・・ガウェイン」
熊の目が怪しくこちらを覗き込んでいる気がした。
「・・・あたし弱気だな。こんなんじゃ、誰もついてきてくれないよね。ヤメヤメ、リーフェの手伝いに戻ろう!」
アーサーが部屋を出ようとベットから立ち上がった瞬間、
熊の人形から泡のようなものが噴き出しあっという間に扉前まで塞いでしまった。
「え?なにこれ!弾力があって部屋から出られないじゃない!?」
泡の表面はゴム質のようでアーサーが出ようとしても押した分だけ体が戻されてしまう。しかも熊の人形からはピンク色のガスが噴き出し始めている。
「うそーっ!これ閉じ込めて毒ガスとかりっぱな兵器じゃない!?」
扉まで手は伸びないし、どうやらこちらの部屋からの声もシャットアウトされているようで誰も助けに来ない。
「部屋を壊すことになるかもしれないけど使うしかないわね!」
アーサーは聖剣を抜き放ち叫ぶ!
エクスカリバー!と。
そして部屋は閃光に包まれた。
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