ここにも

狭めートンネルがあったぞ~

国道153号は、愛知県名古屋市から豊田市、足助村、長野県飯田市を経て塩尻市に至る。

お世辞にも便利とは言えない(←おめぇの都合だろ)が、19号や中央道が通行止めになった際には大活躍する。


今回はそんな国道153号で行われている、新たな改良事業の現場を見ていきたい。

その名も、

伊勢神改良


今回の舞台は愛知県豊田市。

AM4時10分、新和田トンネルの料金所跡。
無料化から1ヶ月以上が過ぎた今でも新旧分岐点の青看板には、「有料道路」の文字が残っていた。料金所の姿はゲートのみになってしまったが、有料時代には見ることのできなかった風景がそこにはあった。

AM5時35分、木曽町で仮眠。
夜勤のリズムを2日限りで昼に戻すのは、やっぱり難しい。この日のために睡眠時間を調整したことがあり、前回の上野村の時よりも距離も長いので楽ではない。

正午過ぎ、現場へ到着。
今回は中津川市から国道257号経由。中津川バイパス以外は混雑がなく、2時間ちょっとで到着した。

小さなドライブインの廃墟が歴史を感じさせる。
しかし、道路にたいして感じる年季は風景から感じるものとは異なり、マイナス面を多く孕んでいるのもまた事実である。

トンネルの名は「伊勢神トンネル」。
長さは1,245mあり、カーブはなく一直線に延びる。
ただ、制限速度は40km。
これが教えてくれるトンネルの現実に今回は迫っていくのである。

名古屋側坑口
立派な坑口と共にあるのは、「伊勢神隧道」と書かれた篇額に、高さ制限3.5m標識と大型車接近という電光掲示板。
思い出すのが、国道17号の旧三国トンネル。
向こうの高さ制限は3.8mだから30cmも断面が小さい計算になる。
ただ、国交省の資料によると車線幅員は5.3mであり三国トンネルよりは広い。
更に…
"伊勢神改良事業に着手しています"
という横断幕。

車載動画まわしていると、たまたま4tトラックと遭遇。離合の際は減速を迫られたり、場合によってはどちらかが停止する必要がある可能性。

壁面は剥がれて地下水が流れていた。
入り口から塩尻側坑口の明かりを見ることは残念ながらできない。

こちらは飯田側坑口。
同じ横断幕が掲げられ、それ以外の標識等は同じ。

ここは雨量通行規制区間であり、150mmになると通行止め。
一般国道153
足助町明川稲武町小田木(7.4km)

伊勢神トンネルで貫かれた伊勢神峠は、嘗ては足助町と稲武町の境であった。
2005年4月1日に豊田市に編入された。

起点となる名古屋市から53.1km地点。
国道153号の総延長は約220km、残りは166.9km。
線形不良箇所が未々残り、市街地に入れば渋滞が激しいために国道19号の倍の時間を要することも…。
(←忘れもしない、去年の8月を)
役割的には全く別に見える2つの国道だが、全体を見て考えると見えてくる課題は1つ。
中京⇔中信
血流を
途絶えさせない
中央道も山、木曽路も山、153号も山…
愛知県と北関東方面を往き来する際、距離や時間のロスがないルートは国道19号と中央道の2択。
ただ、何れも山間部を通っており雨量通行規制区間があり、災害で通行止めになることが多い。

旧道からは建設中のバイパスを眺めることが出来る。
この橋梁の名前は「新郡界橋」。
トンネルと線形不良箇所がセットで改良されるこの事業では、トンネルの他に2ヶ所の難所が対象となっている。
新があれば
旧がある
最近、これを強く意識するようになった。
そう、これから旧になろうとしている現道の郡界橋
も結構な難所なのだ。

トンネルを塩尻方面へ抜けると、急な下り坂の後に急カーブが出現する。

見ただけでものすごい急カーブ。
そのど真ん中にかかっているのが、郡界橋。

歩道もなく、カーブも急で歩行者にとってみれば安全な場所ではない。
しかし、徒歩調査を試みるべく近くのチェーン着脱所に車を止めようかと思ったが…
番犬がいる…
首輪がついていて野良ではなさそう(止まっている軽トラの人が飼い主?)だが、私のマイカーをみると物凄い勢いで吠えている。
私の後に2台ほどここに来たが、皆すぐ出ていってしまった。

もしロープが切れたら…
今日はやめておこう。
"今日は"って言うか、彼がいる限りは。
でも、誰かが愛している家族同然の存在である。
勝手に名付けてしまって申し訳ないが、こう呼ばせてくれ。
足助
次にここに来るのはバイパス完成後だろう。
その時にもう一度元気な姿を。
と言うわけで、先に進んでトンネルの後に控える難所に向かったのだった。

つづく