遂にあの酷道レジェンドが復旧する。

場所は群馬県多野郡上野村。

群馬県と長野県を往き来する


遡ること17年前、こんな記事が出ていたという。

十石道路

国道299号の群馬・長野県境を跨ぐ十石峠は、すれ違いが困難な上に時間雨量100mmで通行止めになる。

本音を言えば、別に態々そんな道を通らなくても国道254号と国道18号があるから別に困らない。そして内山峠(254号)は120mm、碓氷バイパス(18号)は150mmで通行止めになるにしても高速道路があるから別に問題はない。


十石峠は国道299号と462号の重複区間。

国道462号は群馬県伊勢崎市から埼玉県本庄市を抜け、再び群馬県に入り藤岡市、神流町、上野村を経て十石峠で長野県佐久市に至る。

線形は3つに分かれる。

1:バイパス整備済みの快走区間

2:市街地を抜ける狭隘区間(2車線)

3:集落内を抜ける〃(センターライン無し)


地図的には国道254号と同じ方面に走っていくが、藤岡市から神流川沿いの山道を走る。

通称

十石峠街道

十石道路の計画は3つ。

A案:現道の拡幅

B案:峠部のトンネル化

C案:湯の沢トンネル接続


B案のトンネル化は「十石(峠)トンネル」構想。

整備延長は13kmでトンネルは1本のみ。つまりは5000mを超える長大トンネルとなり、危険物積載車両や金属チェーン装着車は通行ができない。

C案は群馬県道45号の塩ノ沢峠(南牧・上野村)を貫く湯の沢トンネルと接続させる案。


幻のバイパス

十石道路を表現するとすればこれしかない。

調べてみてもその後の進捗が全く見られないことから、頓挫しているのは間違えない。

しかし、私の考えでいくと決して無駄な道路建設ではないのではないか。

藤岡→神流→上野→佐久

〃→吉井→富岡→下仁田→佐久

新潟方面に向かうのなら碓氷バイパス&上信越道、中京方面へは内山峠といった定番ルートが確立されているが、果たして盤石なのか。


十石バイパスの本質を理解するために、県境の村である上野村まで走ってみる必要がある。

これは実際に

走ってみるしかない


2022年5月3日、遂に決行した


2022年5月3日、朝7時50分。
夜勤で出来上がった夜型生活をゴールデンウィークの3日間だけ、通常に戻さなければならない。
という訳で、普段寝ているこの時間に私は鬼石にいた。

エンピツが指差す方向には集会所と駐車場、ベニアで閉じられた倉庫らしき建物。
鬼石だけに鬼(笑)
赤と青でそれぞれ色付けられていることから、嘗てはここが便所だったのか。

通行雨量規制の看板、通行注意を促す情報板。この2点は県境越え国道には欠かせないものである。

神流、上野…そして、
佐久穂❗
本当は驚くことでもない。
しかし、私は一度も上野村経由で長野県に行ったことがない。
その答えは
上野村にあり❗
と言うわけで、国道462号をひたすら走る旅開始。

登坂車線が出現し、道路は街中から険しい山道へと変貌することを教えてくれている。

ちょっとひといき
最後の○○
自販機
最後の○○と言えば、
最後のガソリンスタンド
(秩父市の140号)
〃カー用品店
(安中市の国道18号)
という感じで峠越えへの準備ができる最終地点を示している。ドライバーにとっては快走性が増しているので苦にはなりにくいこの時代、峠の険しさを予言するような看板、最高。
デモ…
ちょっと待て…
確かにこのあとの区間には自販機は少なくなるが、全くないわけではない。
意味を取り違えている可能性アリ。(←再検証ダナ)

自販機を過ぎると、カーブの連続となる。
そして現れた、コイツ。
何か、看板多くね…
今までの経験値から考えるに、注意喚起の多いトンネルは訳アリである。(←当たり前だ)

トンネル内
すべりやすい
最徐行
川柳を読んでいるようなこの看板、その割に制限40kmとは矛盾しすぎている。
コイツを見たときに、ふとあそこを思い出す。
鳥居隧道の藤岡Ver
県境越えの十石峠が酷道のレジェンドであること、更には国道254号が幹線道路の座に就いていることが相まって、線形不良箇所が多く残っているのが現状である。

前者は「下久保トンネル」、後者は「神坂トンネル」といい特筆すべき場所なので別記事で詳しく取り上げる。

神流川、神流湖沿いの険しい地形に沿って道路が建設されているためにヘアピンカーブと急勾配の連続であるが、所々改良が行われている。

改良前の線形も旧道として残されていて、カーブ番号もある。こういった箇所が何ヵ所かあり、新旧見比べて見るとその差は歴然としている。

神流湖に架かる大きな橋。
名前は琴平山橋、竣工はなんと令和2年2月。
今年は3年だから、去年の2月ということか…(←遠征ばかりだったことを反省)
思い出してもやっぱり記憶にはない。


新橋が建設されたにも関わらず、旧道となった部分のセンターラインや舗装が整備されている。
ここに滞在していた時間は精々10分程度だが、皆旧道の方には目もくれず新橋の方を颯爽と通過していく。

つづく