いよいよ
ラスボスへ挑む
急カーブ+狭小トンネル+橋梁
鳥居峠を超える先代の国道19号は、色々な構造物によって構成されていたのである。
橋窪栃
昭和30年10月竣工とあるから、隧道ができてから4ヶ月後のことである。
そして、転落防止の為か白色と黄色で縞模様に色付けされていた痕跡がある。何せこの橋梁が幅員減少をもたらしている張本人だからであろう。
奈良井側を眺めてみると、こんな感じ。
トンネルの奥が見渡せるほど真っ直ぐな線形だが、幅員が狭すぎるのが致命的。
おいおいおーい
ラスボス感が出てきた。
これ以上は近付かせないと言わんばかりの荒廃具合で、「撤収」という判断も多少頭を過った。
しかし、ある疑いが確信に変わることになった。
トンネルを出てすぐ見つけた
キロポスト
155
木祖村側の旧道で見つけた〃
153
うーん、2kmね
この立ち位置から見える吊り下げ式の看板には、こう書いてあるはず。
楢川村
2kmという距離を考えたとき、もう1つの隧道はすぐそばにある計算となる。
洗い越しじゃん
でも跨げない距離ではなさそう。
もう道路というより、山登り。なんか鳴き声が聞こえてくるし(正体不明)…。
あぁー❗
ビックリマーク(警戒標識)の下をみると
トンネル内 路肩段差あり
とある。
警戒標識の単独登場でなくて本当に良かった。でも、今となってはちょっと内容が変わる。
動物注意
ここ、相当ヤバイ気配します。
でも、この先にはトンネルが控えていると標識と風景が教えてくれている。
山吹トンネルの旧道(廃道)と同じく、大分状態はいい。
もう点くことの無い街灯、辛うじて顔を出すアスファルト、更に…
トンネルだ❗
目の前に現れたトンネルに近付きたい気持ちがあったが、さっきより鳴き声が五月蝿くなっている。
危険と判断し、少し近付いてもう一枚写真をパシャリ。
急すぎじゃない?
このカーブとトンネルこそが、建設からたった23年で国道の座を降りることになった原因である。
急カーブに加えて、
トンネル坑口で更に幅員が狭まるという最悪な線形。
このトンネルが、先代の鳥居トンネル。
坑口はコンクリートで蓋をされ、通行不能である。
そのため中の様子を伺い知ることはできないが、長さは1,000mを超えていたという。
ササッと何かがこちらへ下ってくる音。
ふと見上げると、鹿らしき動物がこちらを睨んでいるのがわかった。
トンネル坑口前から障害物が減るこの位置までが射程圏内なのだろう(勝手な推測)。
撤退することにした。
しかし、奈良井新橋の通行止めで奈良井川沿いの旧道がまだ見れていなかった。
私は一目散に引き返していくのだった。
つづく