またひとつ、道路がスタイルを変える。

有料道路はトンネルや橋梁で難所を攻略できるので、それをケチるかケチらないかのボーダーラインは結局旧道にある。

急ぎ=有料道路

ちょっと余裕ある=酷(険)道レベルによって

移動距離が長い=〃


よく使う有料道路

旧・三才山トンネル有料道路

新和田トンネル有料道路

何れも長野県だが、一昨年の9月に三才山トンネルは無料化された。

松本市から上田市を往き来する道路は酷道143号しかなく、青木峠という色々な意味で"最恐"の道路を通らなければならない。夜は動物園と化す。そんなことがあり、富山県方面へ行くときは有料道路を利用していた。


もう一つ"新和田トンネル有料道路"。

これがいつも考えるところである。

何せ真横には和田峠の旧道が通っていて、燃費と少々のタイムロスだけを許せば悪い選択ではない。

センターライン無し、狭い、ヘアピン多し…

そんな峠道には何と、大型トラックも出現する。


そんな新和田トンネルはいよいよ今年4月、無料開放されるのである。有料道路として何度も利用したが、無料開放される前にもう一度有料時代の風景を記録しておきたい。


割引通行券

県道路公社の公認ではないが、佐久市、長和町、岡谷市、塩尻市のコンビニで販売されている。普通の通行回数券を10%引きになっている。


料金所での支払いは現金か回数券のどちらかで、ETCやクレジットカードは使用できない。コンビニではクレカ使用可能(ファミリーマートは不可だったような…)なので、

例えば私のマイカーの場合

軽自動車 通常520円→コンビニ 割引10%で470円

50円の差だが往復で考えれば100円。コンビニでプライベートブランドのお茶1本買えてしまう。



料金所への急な坂。

このようにして写真で見るとそこまでの勾配ではないように見えるが、上りは低速ギア(3速or4速まで)、下りは強いエンジンブレーキを必要とする。

このアングルは、新道と旧道をはっきりと写している。 


通行料金は少し高めだが、険しい峠道を迂回できることを考えれば費用対効果は悪くはない。
高速道路と比べてみる。
高速
上信越道「碓氷軽井沢IC」→長野道「岡谷IC」
距離は138km、料金は2,950円(軽自動車等)
一般道
国道18号、中部横断道、国道142号経由で約90km 料金は520円
高速道路だと更埴市へ北上してからまた南下するルートを取るため、距離は40km、値段は何と5/1に抑えることができる。

旧道はバイパスが有料道路のために国道指定されたままとなっているので、無料開放後どういった扱いになるのか。

旧道との分岐地点の標高は1100メートル。

いよいよ料金所が見えてきた。
"有料道路"と書かれた青看板と、"これより新和田有料道路"という看板がいい感じを醸し出している。

有料道路を管理する長野県道路公社の事務所。
三才山トンネルの料金所付近にもあったが、無料化後は廃止されている。

入場は左から2番目、退出は一番右のレーンから。
料金所奥には急坂の男女倉大橋が見える。

11回券
60回券
100回券
今まで何気なく購入していたが、無料になれば手に入らなくなるので売り切れにならい内に購入しておきたい。
"おにぎり"と一緒に写真が撮れる駐車場のある長和町のセブンイレブンは、1月31日にいった際にレジに再入荷はしない旨の記載があった。

長野県道路公社が管理する4つの有料道路(三才山・平井寺両有料道路は無料化済み、白馬長野有料道路、新和田トンネル有料道路)については、時間帯割引回数券が販売されていて、料金は半額。
↑長野県HPより(こちら )
・上田市
・岡谷市
・諏訪市
・下諏訪町
・須坂市
・塩尻市
・佐久市
・東御市
・安曇野市
・立科町
・長和町
・青木村
・坂城町
新和田トンネル有料道路の割引通行券は上記の13市町村の住民が対象。
長和町と下諏訪町の往来は勿論だが、国道254号の三才山トンネルが無料化されても松本市街地の国道19号の渋滞が激しいことを考えれば、峠の連続とは言え渋滞の少ない国道142号の需要は大きくなる。

新和田トンネル下諏訪側坑口。
ここから岡谷方面に向けて急な下り坂が続く。

新和田トンネル有料道路は、延伸事業として諏訪大社前を経由する国道142号現道を迂回するバイパスを2004年に供用開始。国道20号バイパス(下諏訪岡谷バイパス)との接続が図られ、中央道や塩尻方面へのアクセス性が向上。
看板にある"湖北トンネル"とは有料道路区間のトンネルで、岡谷側に抜けて右折すればすぐ国道20号バイパスに入る。

信号機によって通行規制が行われている(旧)和田峠トンネル。有料道路が工事による片側交互通行が行われている際は15分の待ち時間となるので、旧道へ迂回するという手がある。

おにぎりが撤去されているが、旧道も国道指定が継続中。

トンネルで下諏訪町に抜けると、緑色の大きな看板が出現。佐久方面から来れば料金所、岡谷方面から来れば看板が通行者をお出迎えする。
因にここは、旧和田峠への入り口である。

昨年8月の台風によって、冠水やによって通行止めになった際は松本市街地を抜けて三才山トンネルへの広域迂回を強いられた。
東信地方と南信地方を最短距離で結ぶ幹線道路なだけあり、需要は相当多い。そう考えると、先日の国道19号の桜沢改良の開通(2月10日の記事  )と合わせて長野県東信地方と中京圏を結ぶ重要幹線道路の利便性がいっそう増してくる。

つづく