国道17号は進化を続けている。

東京と新潟を結ぶ大幹線国道でありながら、市街地を貫く区間が多くあるほか、ボトルネックとなりうる箇所が散見される。バイパス建設が進み代替わりで国道の座を降りた旧道は、現在でも当時の雰囲気を色濃く残している。

特に埼玉県熊谷市から群馬県前橋市へ至る上武道路は市街地を全く通過せず、信号も少ない非常に高規格なバイパス道路。将来的には前渋バイパスや渋川西バイパスを介した上信自動車道との接続で、高規格道路のみで埼玉、群馬、長野と往き来できる構想もある。


そんな中、新しいバイパスの建設が行われていることを知った。新潟方面へは上武道路が既にあるが、高崎方面へのバイパスは依然として整備が遅れている。

今回は深谷バイパスから新町バイパスの間に新しく建設されているバイパス道路の一部、埼玉と群馬の県境にかかる橋梁について取り上げていく。


場所は群馬県高崎市新町と埼玉県上里町。高崎市新町は嘗ては多野郡新町という独立した町だったが、平成18(2006)年1月の合併で高崎市になった。現在は藤岡市を間に挟む形で「飛び地」として存在している。

群馬県と埼玉県の県境にかかる国道17号の「神流川橋」である。
写真右側に見える建物は、「ガトーフェスタ ハラダ」というラスクの工場。"ハラダのラスク"は高崎駅の「高崎いろは」や道の駅「ららん藤岡」(上信越道藤岡PA)でも販売されている定番の贈り物。
夜になれば一際目立つ建物が見えれば「もう群馬県、もう埼玉県」となる。
そんな場所から新たなバイパス道路の建設が始まっているのである。
その名も、
本庄道路

県境越えは神流川に架かる「神流川橋」をわたる。JR高崎線を横目に、「車が来る前はよく乗ったな」と思いながら通過する。
この時点で東京まで100kmきっている。3桁から2桁に変わると距離感が変わるのは気のせいか。
いよいよ埼玉県へ。

写真の灯籠が乗っているのが神流川橋の親柱。デザインからして相当歴史のある橋だというのは想像がつくが、なんと85歳。85年間も幹線道路の重圧に耐えてきたために、老朽化が著しいという。
本庄道路建設の目的はそこにあったりする。

建設中の橋梁にかかる横断幕には"「令和4年内」の開通を目指します"とある。
埼玉県側の親柱にも灯籠が。

橋を渡りきって最初の交差点。直進レーンと右折レーンが区切られておらず、信号機にも矢印信号がない。右折待ちの車が列をなせば、直進車にも影響が出る。実際に走ってみると、右折待ちの車がいるときに大型車が楽に通るのが難しい様子も見られ、交通量も多いことから譲り合いなしの右折は難しいと感じる。
右折した先の幅員も狭いということも影響しているのかも知れない。

復路
今度は復路。
高崎や前橋とは違い、圧巻の存在感を見せる「新潟」の文字と「250km」という数字。三国峠で国境を越えてからも永遠と走り続けなければならない。新潟の広さは実際に走ってみればよくわかる。

神流川橋と書かれた立派な銘板。
休日で車が増えているためか、やはり渋滞を引き起こしている。老朽化に加えて渋滞の酷さを鑑みればバイパス建設は急務なのは間違えがない。

群馬県へ帰ってきた。
制限速度50kmに追越禁止標識。
本庄道路は取り敢えず暫定2車線の開通で、古い神流川橋撤去後に新しい橋を建設し完成4車線となるという。

群馬県に入って最初の交差点が控えている。ここは旧17号との合流地点となる。

この交差点は非常に間違えやすい。この交差点を過ぎてから新町バイパスが始まり片側2車線となるが、直進レーンは真ん中の1車線だけ。左折すれば藤岡市街地や国道254号方面、右折すれば国道354号方面へと行ける。

この橋を徒歩で渡ったことがないので、今度は細かい部分まで調査してみたいと思う。